スコータイの旅は3月4日を最後にしてアユタヤに飛んでしまったので、そろそろ再開しましょう。
というのも魔女の手紙ブログがスコータイを書いているのだがなかなか前に進まず、ちい公ブログだけがどんどん書いてしまっては、ほんとのネタバレみたいになってしまうのでしばらく控えていました。
魔女ブログもようやく追いついてきたようなので、お話は彼女の先導で自転車で出かけたあたりからです。
ホテルでもらったマップを見ていた妻の誘導で出かけ、それがまったくの逆方向だった。
とはいえそれが幸いしたのか、予定になかった寺院遺跡も見ることができた。災い転じて福となすとはこういうことをいうのでしょうか。
スコータイ・オールドシティあるいは旧市街とも訳されている遺跡地区ですが、前回も書いたように遺跡がなければただの田舎の村。
メインのスコータイ市はここから20キロほど戻ったところにある。
スコータイ・オールドシティ
数百メートルも走ればつきあたりに遺跡公園があってそこまでの道沿いには食堂と安宿が並んでいる。
通りに出てきた我々ですが、お腹もすいたし、まずどこかへ入ってみようということで小さいけれども清潔そうな店へ入ることにした。
おもてに果物などが並んでいて、もしかしたら大好きなかき氷があるかもしれないと思った。
タイ語で【イム・プレエ】という名の店。
これは友達同士などで使うことばで「おなかいっぱぁい」というような意味になります。
ふざけたような名前ですがここのおかみさんが、これまたユニークな人だった。

なにか食べようと思ったがその前にかなりのどが渇いていたのでドリンクを注文することにした。
ビールをと言うと、置いてないという。レストランのメニューがちゃんとあるのにアルコール類がないとはおもしろい店だ。
おかみさんが言う、
「そこにセブンがあるから買ってきてよ。なんなら私が行ってくるわよ」
時間をみた。まだ5時前だ。セブンなどでは5時をすぎないとアルコールは売らない。これは国の決まりだ。
「ダメだよ、まだ5時になってないよ」
期待したかき氷もない。
仕方ないのでスイカのシェイクを頼んだ。
しかしこれは正解だった。美味しかった。
たしかこの時なにかを食べたはずだがよく覚えていない。
はっきり記憶しているのはこのおかみさんの言葉だ。
「なにがおすすめ、この店は」
メニューを見ながら妻が尋ねた。
「なんでも美味しいわよ、全部おすすめよ」
「ギャハハ」
「といっても私が作るわけじゃないから」
「コックさんがいるの?」
「そうよ。わたしは料理がキライなの」
「なのにどうしてこんな店をやろうと思ったの?」
おもしろそうだとあたしの直感。
「毎日たいくつだから。子供たちも大きくなったし亭主は昼間はいないしね。店を開けていれば誰かが来てくれるでしょ、そしたら話ができるから」
なんともお気楽なおかみさんのようだ。
妻が小声で、
「そんなんだからお客さんもいなのね」
「アハハ、まだ時間が早いからだろ」
するとおかみさんが、
「なになに、英語はわからないわ」
「なんでもないよ。きれいなお店とママさんだねって、アハハ」
こんなことがあって、わたしたちは町をウロウロするたびにこの店に寄ることになるのだが、この続きは明日です。

