
バンコク トゥクトゥク

ยินดีต้อนรับสู่ Blog ของฉัน [ไดอารี่เกี่ยวกับเมืองไทย โดย Mr.Chiikou]
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退屈していたサムローのオヤジ
バンコクのトゥクトゥクと呼ばれる三輪は座席が前向きになっている。一方イサーンのサムローは外見はほぼ同じだが座席は向かい合わせの縦長。
ウドンターニにもタクシーはあるが、まだまだ高い乗り物でサムローが一般的に利用されている。
ウドンターニ駅前の夜市から帰り、ホテルまでは歩ける距離なのだがサムローに乗ることにした。
近くの運転手に目をやると、「あれに乗ってくれるかい。今日は客がないんだ」そんなことだった。
住民はほとんど車かバイクでやってくるので観光客かよほどたくさんの荷物がない限り利用するものはそれほど多くないのかもしれない。
きのう書いた通り、あたしは看板で切れた額を押さえながら飛び乗った。
混雑する町を走り出してから気がついた。
かなり年代物のサムロー。
ドドン、ガラガラ、ギィギィ、
なんとも騒がしい三輪。
運転手もかなり年代物。
あたしのオヤジくらいの歳かもしれない。
走り出すなり、なにかしゃべりはじめ、振り向いた。
「オッ、ファラン(外人)か」
ファランはおもに西欧人を指す言葉だ。
「ファランじゃないよニホンジンだ」
「おっニッポンジンか」
ここからオヤジのしゃべりは止まらなかった。
日本や中国、台湾の話から、はては自分の娘がブルネイに嫁いでいて亭主が乱暴者だとか、あたしは面倒くさくなり、それに額も痛いので知らんぷりを決め込んだ。
するとオヤジ、今度は反対側に振り向き矛先を家人に向けた。
先ほどからのエンジン音に負けないくらいのしゃべりに笑い転げていた家人は仕方なく愛想笑いをかえした。
それがいけなかった。
すっかり調子にのったオヤジはガンガンしゃべりはじめたのだった。
「ニッポンジンにも通訳してやってくれよ」
あまり何度も後ろを振り返るものだからたまりかねた家人が、
「ちょっとオジサン、前を向いてちゃんと運転してよ」
「マイペンライ。こんな道、目をつぶっていてもOKだよ」
ガタガタ、ゴトゴト、
混んでいても器用に割り込み、なかなか接触もしない。
それはそうだ、相手の車はこんなボロいサムローに当たったのでは大損かもしれない。
「今日は夜まで客がなかったのできっとうれしいんだな」
あたしが騒音に負けまいと大声で叫ぶ、
「ははははは~」
大笑いする家人を見たオヤジは自分の話がウケていると勘違いしてまたしゃべる。
「ちゃんと前をみてよ」
「ほんとだ、ホテルへの道を間違えないか」
「だいじょうぶ~わたしが見てるから、あはは」
後半の話の中身はほとんどわからなかった。家人もそうだったらしい。
ホテルへ着いた。
あたしたちが降りてもオヤジは運転席からまだしゃべっている。
すると魔女家人が、
「いいからもう行っていって。またね、はもうないけど、バイバイ」
おかげでネタになった、おもしろく、ケッタイなオヤジ。