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    ちい公ドキュメントな日々

    アジアの風をいっぱいに受け 雲のように日々を・・・・

    知立神社・愛知県


    知立神社04

    知立神社03


     とある駅で下車してさくらさん運転の車に乗り換えた。
     全部事前にスケジュールを組んでくれていたのだ。有難く感謝のみ。

     知立神社までそれほど遠くなかった。
     やっと来ました。
     
     陽も西に傾き、参拝の人々も多くない。
     遠い時代、祖先も来たに違いない同じ場所に立った。
     雲のように流れてゆく人生ではあるが、ほんのひとときルーツに関わりある地で手を合わせることができた。
     これで十分だ。
     とても良い時間をありがとう。

     
      

     
    To Be Continued



    知立神社01

    知立神社02

    多宝塔2










    今日もありがとうございます
    よい週末をどうぞ

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      電車は東へ




     名古屋駅を出た電車は東へ向かっている。
     愛知県東部といえば長年の懸案事項として棚上げになっている我がルーツ探訪の目的地でもあるのだが今回は時間的に無理。

     今日この後の予定はあたしの希望でもある知立神社参拝。
     どうして知立神社なのかと問われると答えに窮する。
     あえて理由を言えば、我が遠き祖先にして歴史にも名を遺す近在の武将もここに参拝したに違いないという思い。
     もうひとつはドラマ水戸黄門で知立神社の名前が二度も使われていること。大長編ドラマなので黄門様は演者が代わりながら何度も東海道を往来している。この地に立ち寄ったとしてもなんら不思議ではない。
     高橋元太郎氏扮するうっかり八兵衛が黄門様に話しているシーン、
    「この神社はまむし除けに効くということでよく知られているんですよ」
     だが記録によればこの地で撮影は行われていなく、京都地方のさる神社が使われている。
     黄門様の話そのものがフィクションで、脚本を書いた作家グループが東海道の名社である知立神社を舞台として挿入したものだろう。

     というようなわけで以前から興味をもっていたところ、ママとっとちゃんそしてお隣の町のさくらさんが知立神社に行こうと思えば行ける地域にお住まいだということがわかったのだ。
     世の中は広いようで狭いとよく言われる。
     お二人同士はこれまで面識もなかった。偶然がまるで奇跡のような出会いを生むことになった。

     電車は東へ走っている。
     停まった駅をなにげなしに眺めていて驚いた。
     金山という駅名になつかしさが込み上げてきた。
     ・・・金山だ。
     しかし東海道線のこの金山ではなくJRの駅名では高山本線飛騨金山駅。 
     現在の地名では下呂市金山町というらしい。
     青い時代の記憶があふれんばかりに詰まった町。もう何十年も訪れていない。
     あたくしのかつての時代、どこかで使った話の舞台になった町。
    【トンネルを抜けると小さく飛騨金山駅が見えてきた】
     冬ではなく雪もなかった。本当に見たままの景色を書き出しに使ったのだが、まるで雪国パクリのようで直さざるを得なかった笑い話のような記憶。

     こちらは東海道線の金山駅。
     目的の知立神社に近い駅はもうすこし先のようだ。
     電車のスピードが上がった。

     


     
    To Be Continued














    今日もよくお越しくださいました
    ありがとうございます

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    名物に旨いもの きよめ餅



     熱田へ来たならこれを食べなくてはいけないらしい。
     伊勢が赤福なら熱田はきよめ餅だという。

     熱田神宮へ参拝する前からとっとちゃんが何度も口にしていたきよめ餅。
     うなぎを食ったばかりなのに、とあたしはたいして気にもとめずにいた。

     そして神宮から出たところにある店。
     これを書くまでずっと違和感を抱いていた。
     どうして清めの餅なんだ。熱田神宮へお参りしたあとに清めるとはどういうことだ。

    IMG_1102.jpg

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     きよめ餅総本家のページに由来が書かれていた。
     長い旅をしてきた人々が参拝の前に休息し気持ちも新たに参りの準備をした場所がきよめ茶屋で、そこで売り出した餅がきよめ餅として広まったという。


    yurai.jpg



     そこで買ってもらったきよめ餅。
     夜みんなで食べながらこんな言葉を聞いた、【牛皮】もちろんなんにも知らないあたしには初めての言葉。
     この餅の皮のことをそう呼ぶのだという。
    「なんで牛皮、牛の皮なんだ」
    「そういうのよ昔から」
    「もち米でしょもとは、なのになんで牛なんだ」
     しつこいちい公にとっとちゃん、
    「もう自分で調べなさい、ネットにあるでしょきっと」
     また叱られてしまった。

     調べてみると、元来中国より伝来時には牛皮(牛肥)と書いていたが現在は求肥(ぎゅうひ)とするのが一般的らしい。元がもち米であることは餅と同じなのだが、粉にしたもち米に砂糖などを混ぜたもので製造後柔らかさが長く維持できるという。

     知識がまた増えた。
     これ以上お利口になってどうするんだ。
     




     
    To Be Continued






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    神々の森にて



     熱田神宮

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    本宮 (2)

    本宮 (1)


     日曜日ということもあり神宮は多くの参拝客でにぎわっていた。
     ここで説明する必要もないほど有名な場所。
     七五三詣の子供たちが目立つ。紋付き袴に振袖、みんなアニメの主人公のようにかわいい。幸せにまっすぐ育ってください。

     伊勢神宮に次ぐ神社といわれるから参拝の人々が多いのはうなずけるものの、点在するそれぞれの社で合掌する姿を見ていると、やはり日本は神様の国だという思いが強くなる。

     もうひとつ驚いたのは意外に若者層が多いことだった。
     鳥居をくぐっての出入りにもきちんと頭を下げて敬意と感謝を表す。
     クリスチャンが教会の出入りに十字を切るのと通じるものがある。

     どの神様がどうだということではない。
     神あるいは仏陀にしても、敬意を払い日々の安寧を感謝するという意味合いでは同じで、心の糧としてそれぞれに存在する意義は大いにあり、手を合わせ祈ることは人間だからできるのだ。


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     下世話なことをつい考えてしまうあたくし。
     広大な神宮の森のあちこちに神様がいて、お詣りする人間もそうだが神様も競争相手が多くて大変だなと思う。
     客引きこそ現れないがそれぞれの社ちかくに行くと声が聞こえるような、
    「はいいらっしゃい、こちらは縁結び安産、病気平癒もおまかせあれ、よく効くよ、いらっしゃい」
     おいおいガマの油売りじゃないんだからそんなことは言わないだろ、この罰当たりちい公。

     お参りしようとするわたしたちをとっとちゃんが制する。
    「はいこれ」
     なんと彼女はみんなのお賽銭を用意してくれていた。ピカピカに消毒し磨いた五円玉。クリップに通して何個も。これだけでも有難味がちがう。

     あたしは思った。
     まさしくママだ。
     そうだこれからはママとっとちゃん、そう呼ぶことにしよう。








     
    To Be Continued






    今日もありがとうございます
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     ひつまぶし なるほど



    蓬莱陣屋 (2)

    蓬莱陣屋 (4)

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     あたしがいくら物を知らないといっても、そこはそれ、長く生きてきたので【ひつまぶし】なるものがどんなものであるかくらいは知っている。
     
     あたしのイメージでは、要するにご飯に細かく刻んだかば焼きを混ぜたもの、すなわちウナギの混ぜご飯のようなものだった。
     だから何度か自分でそのような料理を作ったことがある。

     さていよいよ時間になって入場開始。玄関には体温チェックの小さなモニターが置かれている。老舗とはいえ時節柄、これが当たり前なのだろう。

     私たちは一番乗りなので。部屋の奥に座った。
     一部屋に四つほどのテーブル。次から次へとお客が案内されてくる。
     
     そして待ってました、ひつまぶし様の登場。
     おぅなるほど。
     パンフの写真とあまり違わない。器いっぱいに敷き詰められたウナギさん。最初から混ぜられているのではなく客が自分で楽しめるように考えられたものだろう。

    「おう美味しそうだな」
    「まだダメよ」
     ママとっとが言う。
    「いまから食べ方を説明します、いいわね」
    「なんだ食べ方があるのか、自分で好きなように食べたい」
     田舎者のツアーはうるさい。
    「ダメです! ちい公はとくにちゃんと聞きなさい!」
     おおコワ。
     あたしは幼児期の母を思い出した。しつけにきびしい人だった。箸の上げ下ろしから教えられた。
     あたしは、今日もおなじように手をパチンと叩かれそうな気がして沈黙した。


    ひつまぶし (2)



    「まずこれを四等分するの、いいわね。そして一杯目をお茶碗に移してそのままの味を楽しむの」
     二杯目はネギなどの薬味を載せて、そして三杯目はお茶漬け、これは出汁の入れ物がきているのでそれをかける。
    「最後に残った四分の一はお好きなように楽しんでね。では食べ方はじめ!」
     
     ざっと書けばそういうことだった。
     あたしは、もし間違ったら手が飛んできそうな気がしてゆっくり味わうどころではなかったが、でもたしかに美味しいのだということは理解した。

     よしこれで有名店でひつまぶしを食ったと自慢できる。
     その程度なのだちい公は。

     そんなことを言いながら、その実、ママとっとちゃんには心より感謝している。
     これらすべて彼女の配慮がなければ実現できなかった。面倒見のよい彼女のような方に出会ったのは幸運だと言うべきだろう。
     自慢じゃないがちい公は人に関してはツキがあるのだ。
     
     さあお腹がいっぱいになった。
     次はどこでしょうか。

     



     
    To Be Continued






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    さ戻りましょう、おいしいご飯が待っている




     宮の渡し跡公園から歩いて蓬莱軒へ戻る。
     予約の11時までまだ少し。

     歩きながらみんなは花の話題で盛り上がっている。
    「この花はね、○○とおなじように見えますけど名前は違いますよ。ほれこの花のサイズがすこし違うでしょ」
     説明しているのはことぶきタカ君。
     彼は驚くほど花に詳しい。道を歩いていて見かけるような花は、栽培あるいは自生いずれかを問わず、質問すればほとんどを答えてくれる。
     そういう彼なのでブログには花の写真が多い。ネタ不足を埋めるために花の写真を撮ってるのかと思っていた。が、じつはそうでもなかった。

     写真と花、これらに彼が親しみを覚えるようになったのは育った環境にルーツがあった。
     
     彼の生まれ育った地では、お母さんがいつもたくさんの花を育てていたという。物心ついたときから花に囲まれていたのだろう。花が豊富にある生活が少年にはごく当たり前で、それがより知識を深める一助となったことは否めない。
     またそれらを記録するための写真について、これは彼の父親が大きく影響している。
     父親は趣味で写真を撮っていた。自宅に小さな現像場所をしつらえるほどだったから、そんな父親をみて幼心にカメラへの興味が芽生えたのはごく自然のことだといえる。

     カメラについては、どうしてかあたしも小学校入学前から興味があった。身内の誰かがカメラを持っていたわけではない。どこでどんな影響を受けたのかわからないが、ただカメラがほしかった。
     いくつの頃だろう。6歳か7歳くらいだったろうか。
     母に連れられた町でカメラ屋、写真店といったほうがよいのか、そこでウィンドウに飾られているカメラを見た。それほど大きなものではなく自分のような子供でも扱えそうなコンパクトなカメラだった。それでもすごい宝物のようにも思えたが、しかし価格についてはまったくわかっていなかった。
    「あれ、ほしい」
     いつもは大人しい子供で、みんなにお利口さんと言われるのが当然のような子供だった。
     だがこのときはカメラのショーウィンドウの前から動かなかった。
     たしか母が、ダメ、あれは大人用のカメラだから、そんなことを言った。
     ほしいのに買ってもらえない。悲しくて涙があふれた。
     午前中の太陽の光でカメラが浮かびあがり輝いていた。
     記憶はそれだけしかない。

     後年、母が大人になったあたしを見て時々口にした思い出話、そのなかにこの時の話題が必ず出てきた。
    「あなたはいつも高いものをほしがったね。カメラのときはほんとにしつこかった。とても子供に買ってやれるようなものではなかったのに、あなたはお店の前から動かなかったのよ」

     けれども母は後にカメラを買ってくれた。
     町の店で泣いてぐずった頃から何年か後、小学校の高学年になっていた。けっして高いものではなかったろうが、それでもフィルムを入れて撮影するとちゃんと写った。
     町の写真屋から届いたモノクロ写真を見ながらいっぱしのカメラマンになったような誇らしい気分にひたったものだ。
     
     今日、一緒に歩く女性二人もことぶきタカ君同様、花に詳しいようだ。
     チューリップやアサガオ、ヒマワリくらいしか名前の出てこないあたしに言わせると、花に詳しいというのはその方の心の余裕を表すバロメーターでもあるのだ。

     三人が話す花の内容はあたしにはほとんど理解できない。
     だからなのか花を撮ってみましょうとは思わない。これは心が貧しいのかもしれない、余裕がないのだ。
     三人さまと違って目下のあたしの心配は、これからひつまぶしの店に入って、さあ全部美味しく食べられるかな、そんなことだった。新幹線で弁当を食べてから2時間も経っていないのだから。



     
     
     

     
    To Be Continued





    今日もありがとうございました
    お忘れ物のありませんように

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    つれて逃げてよ~~ 宮の渡し



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     宮の渡し跡は(七里の渡しとも)公園として整備されている。
     かつては東海道で唯一の海路だった。
     ここから桑名宿(三重県)までを船が結んでいた。
     当然この地、熱田一帯が宿場だったのだろう。
     
     順番を取ったひつまぶしの店からは歩いて数分の距離。
     ぷらぷら歩く。

     つれて逃げてよぉ~
     ついておいでよ~
     夕ぐれの雨が降る矢切のぉ渡しぃ~

     もうこれしか出てこない。
     葛飾、柴又ではないと何度言い聞かせたらよいのか。


     当時の旅籠が移築再建され残っている。
     脇本陣格の旅籠だったという。西国大名家などが本陣とする宿に泊まり切れないときなどに利用したものだろう。
     鬼瓦などはそのまま当時のものが使われている。

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     とっとちゃんがガイドをしてくれた。
     彼女はもう飽きるほどここに来たのだろうな。申し訳ないな。ありがとね。
     
     もっと時間があればこの場所で河口を眺めながらしばらく座っていたいと思った。

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     背後から聞こえてくる当時のざわめき、次の船を待つ人々の話し声、物売りたち、そして前方に目をやれば入ってくる帆掛舟。桑名から約4~6時間ほどの船旅だ。
     今日の客は何かを仕入れに向かうのか振り分け荷物だけの商人が多いようだ。しかし、なかには長脇差を帯びた目つきの鋭い男もいる。
     もしかしたら清水次郎長配下の石松も金毘羅代参を終えて美濃路を通らず伊勢湾ルートを使ったかもしれない。
     目を閉じればまるでスライドショーのように往来する人々の姿が現れては消えてゆく。

     にぎやかな港だったにちがいない。
     古き良き時代というが、いつの世でも懸命に生きている人々がいるかぎりその時代は良き時代として記憶される。
     繁栄するこの港を、スリップするのではなく、クリスタルボールに収めて外から眺めてみたい。 

     


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    To Be Continued





    本日のご来場まことにありがとうございました
    どちら様もお忘れ物のなきようにどうぞ

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    旅そして食 プロフェッショナル



    蓬莱陣屋 (3)

    蓬莱陣屋 (2)

    蓬莱陣屋 (4)


     タクシーが大通りから外れた。
     静かな住宅街に入ってゆく。
     ひつまぶし屋に向かっているはずなのだが、名店は隠れ家的に閑静な住宅街にあるのかもしれない。
     くねくねと細い道を幾度か曲がりそして停まった。
    「すみませんね。駅のほうからだと右折禁止になるのでこのような経路になりました」
     それでわかった。
     目的の店は大通りに面してはいるのだが反対側車線からは直接曲がっては来れないということだ。なので手間のほうの信号を右折して迷路ゲームのようになったのだ。

     目的のひつまぶしの店。古い大きな一軒家。ちょっとした料亭の雰囲気。建物を囲んだ壁沿いに行列が出来ている。
     おっ!
     先頭にちょこんと腰を下ろしているかわゆいおねいさんは、まさしくとっとちゃん、お久しぶりの笑顔。
     長く待つことを考慮して自分で小さな椅子を持参したらしい。8時過ぎに来たとしても受付開始が10時半、3時間近く待つことになる。なんという忍耐力。とてもじゃないが真似はできない。
     遠くからやってくる私たちのために、有難く感謝以外に言葉がない。

     しかしある意味、このようなことを簡単にやってしまおうというその情熱あるいは意識、は昨日今日にできたものではなく長い時間をかけて培われたもので、だてに世界のあちこちを飛び歩いてきたわけではない。まさしく旅と食のプロフェッショナルという言葉がふさわしい。

     あらためて思いつき企画に応じて下さったとっとちゃんそしてさくらさん、お二人に心より感謝したい。
     
     受付開始の10時半まで少し時間があった。
     列の最後尾がどうなってるのか見に行ったことぶきタカ君が戻ってきた、
    「すごい行列だよ」
     言って首を振った。

     名古屋市内だけではないだろう。
     我々のように遠方からこの有名店を目指してきた人々が少なからずいるはずだ。何人かにインタビューしてみたいなと思ったが、せっかくの旅だ、野暮なことはやめておこう。イヤだイヤだ、こういうのを貧乏性というのだ。

     10時半になり受付が始まった。
     食事開始の11時に予約を取っていただいた。
     ここにきて気分が高揚するのを感じた。明治の初めに開業という歴史もさることながら、このような有名店のもつプライドや格式といったものは提供される食事だけではなく訪れた者になんらかのよい影響を与えてくれる、空気がちがうのだ。

     京の宮川町で初めて遊ばせてもらった日を思い出した。前に小さな川が流れるお茶屋というのだろうかそんな場所だった。
     あのとき感じたオーラのような不可思議な刺激はいまも心の奥底に灯のようなかたちで静かに横たわっている。これはきっとあのとき歴史の力が偶然にもたらしてくれたものだ、そう信じている。

     もしかするとおなじようなことが今日あるかもしれない。
     それはこの場所が有名店であるというだけでなく、まして辺りがすでに熱田神宮の結界の内ならば何が起きても不思議ではないのだから。

    「まだ時間があるから宮の渡しに行きましょう」
     これはとっとちゃんの計画の内。
     そうだそうだ有名な渡し跡が公園になっているらしい。
     渡しと聞いてすぐに歌が出る単細胞男、
    ~連れてにげてよぉ~ ついておいでよぉ~

     あの、もしおにいさん、それは矢切の渡しじゃありませんこと。

     

     
    To be Continued









    今日もご来店誠にありがとうございます。
    感謝申し上げます。

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    名古屋だがや その弐




    061-043-14 (2)

     

     
      名古屋駅は大きく、大阪駅よりも広かった。というのも新幹線は新大阪発着で大阪駅には来ない。在来線だけの大阪駅はそれほど大きくない。

     荷物を提げてウロウロするのも面倒でロッカーに入れることにした。
     
     男ふたり、さくらさんに従う。
     そのさくらさんが猛烈に早く歩く。
     背後を気にする様子もなくさっさと歩く。
     
     これで小旗でもあればせっかちガイドさんにふらつきながらついてゆく田舎者おじいのツアーにも見えるがや。

     かく言うあたしも元来は早足であったが早すぎるといつも叱られ、いつからか意識してゆっくり歩くようにつとめてきた。
     
     とはいえかくも早足で歩く女性には出会ったことがない。
     ゆったりとした女性のイメージが早くも崩壊か。
     しかし信長や秀吉を生んだ土地。
     母たる女性はやはり特別仕立てなのかもしれない。
     息を切らして歩きながらそんなことを思った。

     タクシーでまず熱田神宮の近くへ行く。
     とっとちゃんが順番取りをしてくれているひつまぶしの店に向かうという。
     あたし自身はみんなにおんぶに抱っこ状態。今日の予定がほとんど分かっていない。一か所だけ知立神社へ行ければそれで満足。
     
     名古屋の街はほとんどなじみがない。
     大都会であることはもちろんわかっているが、広々とした街に見えるのはなぜだろう。戦後の区画整理がうまく運んだのだろうか。

     休日の朝。
     普段はもっと車が多いのかもしれない。
     進む方向にあまり高いビルは見えない。前方に目をやっていると極端な遠近法を用いた絵画の世界に入って行くような気がして、それが催眠術のように意識が遠くなりそうな予感を生じさせた。
     もしかしたらこれは時空を超えるということなのか。

     右手にこんもりとした森が見えてきた。
     熱田神宮です、という運転手の声が遠くに聞こえた。
     あ、そうか、結界の内に入ってゆくのだこれは。



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    To be continued





    今日もほんまにありがとう
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    なごやだがね ひまつぶしだがね



     新幹線はどえりゃあ早い。
     あっという間に名古屋に着いちまっただぎゃ。

     ここでさくらさんが待っていてくれるらしい。
     さくらさん、という名には不思議な親近感を覚える。というのもあたしの妹がさくらという名でむかしはよく登場した。

     今日もう一人会う予定のヒツジのとっとちゃんはどこかのレストランの順番取りに朝早くから行ってくれているらしい。

     そうだ、さくらさんに会う前にこの順番取りの話を書いておこう。

     とっとちゃんがはるばるやってくる私たちのためにランチの場所を取ってくれるという。それも電話などの予約ではなく現地へ行って朝から並ぶ必要があるらしい。とくに今回は休日なので混雑が予想されるという。
     受付が10時半で実際に入れるのは11時からというのは、なんだか昼飯ごときにたいそうな話に聞こえた。

     店の名前は蓬莱軒。
     名前を聞いてよけいにそう思った。
    ・・・たかが中華を食うのにお高くとまった店じゃないか。ラーメンや酢豚くらいどこにでもあるだろう。

    「わたしのオフ会はここから始まるのです!」
     怒り調でメールがきた。

     その店についてはすぐにわかるのだが、その前にあたしは思っていた、なんと大仰な話ではないか、尾張名古屋はちと変わったところじゃのう。

     みんなヒマで、ひまつぶしにひつまぶしの店に並ぶのじゃの、などと口が裂けても言ってはならない。
     元祖ひつまぶしの店としてつとに有名で、知らないと日本人ではない、くらいの勢いで怒られることになる哀れなちい公。


    蓬莱軒

    蓬莱軒 (2)



     さて時を戻そう。
     名古屋駅でさくらさんを遠目にながめた。
     すらりとしたなかなかの美形とみた。さすが、さくらは日本の花、寅さんの妹からはじまって、ちい公の妹、そして名古屋、いずこでもなかなかでござる。
     だがこの時期、必需品のマスクでほとんど隠れているご尊顔、幸か不幸か詳しいことは書けないのでおじゃる。
      
     三人は駅前からタクシーに乗った。
     熱田方面へ向かうのだが本日はここまで。
     また明日でございます。

     

     
    To be continued








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