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    ちい公ドキュメントな日々

    アジアの風をいっぱいに受け 雲のように日々を・・・・

    年末のご挨拶


    コロナ禍の1年がまた終ろうとしています。
    多くの皆様にとっても笑顔が少ない年だったかもしれません。
    来年こそはよき年でありますように。 

    私的には小生喪中につき通例を尊重し拙ブログでの新年のご挨拶は控えさせていただきますが、いつもご来場いただきご支援ご声援を下さるあなたには心より有難く感謝申し上げます。

    来たる2022年には明るく楽しく時には落ち込みながらも前向きに歩いてゆきましょう。
    あなたに大きな幸が舞い降りてきますように、はるかな空の下、古都アユタヤから魔女とともにお祈り申し上げます。


     
     
    ワイ ご挨拶



     











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    アムの菓子工房


    Amp and Pern

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     お向かいのアムはお菓子作りが趣味になった。
     あたしが戻ってまず作ってくれたのがバナナカップケーキ。
     バナナの甘さを生かしたカップケーキで甘すぎず、なかなか美味しかった。
     大きなお皿に山盛りのカップケーキ、全部で10数個あったはずだ。
     こんなにたくさんどうするんだと思ったが毎日午後になっておやつのつもりで食べていたらすぐになくなった。

     朝、彼女たちが出勤の時に、おいしかった全部食べた、そう言ったら土曜の休みに、今度はコーン入りのパイを作ってくれた。
     妻がセブンで買ってきてくれたアップルパイ。20バーツと安いのだが情けないほど小さくて中味も少ない。あたしがブツブツ言ってるのを妻に聞いたらしい。

    20211218161423_IMG_0003.jpg


     アムのコーンパイは彼女とおなじで大型。
     あまりケーキ類を食べない妻もこれは食べていた。

    コーンパイ


     そして日曜日にはまたカップケーキを作ってくれた。
     エッグケーキのレーズン入りとチョコミックス。
     どれも甘すぎないのがよくて、この一週間毎日アムのケーキを食べていた。ジムに行ってしっかり運動しないと。

     
    各種カップケーキ

     







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    チャオクワイ



     今日はあたくしの好きなタイ・スィーツです。
     クワイというから、目が出るおせちのクワイかと思うかもしれませんが、冷たくして食べるとおいしいローカルスィーツです。

     台湾通の方なら仙草ゼリーとしてご存知かもしれません。
     仙草という木の葉っぱを重曹を加えて煮詰めると黒いぜりーになるのだそうです。中国、台湾などでは薬効もいわれているようです。

    チャオクワイ (4)

     
    見かけは黒いのでコーヒーゼリーかと思いますが、黒糖をミックスしているので、ところてんをもう少しコリコリと固くしたようなゼリーです。

    チャオクワイ (5)

    チャオクワイ (1)


    あたしがタイで好きになったローカルスィーツではまずかき氷でしょうか。これがむかしの日本のかき氷のようで、もちろん健康も考えるのでやたら毒々しい色のシロップは遠慮して練乳などを頼むのですがこのときに小さくカットしたチャオクワイなどもトッピングに選ぶことができます。
    田舎の道端に掘っ立て小屋のような店があり、シロップが並びかき氷の器械が座っているとこれはもう寄らなくてはという感じでした。

    バンコクへ来てからはかき氷を見かけることは少なくなりました。バンコクではほとんど食べることがなくなりました。
    アユタヤのレジデンス、一階がやたら広くて当時は住人も少なくコンビニの商品少ない田舎版の店があっただけですが、あたしが留守の間に多くの住人がバンコクから移動してきて店も何軒かできたようで、クリーニングの取次ショップや持ち帰りフードの店などができ、なかにかき氷を売る店もあるそうなので楽しみにしているところです。
    土曜日曜が休みなので、なんじゃそりゃと思っていたら従業員の妻が開いているようで会社の休日は休みらしい。かき氷、一杯何十円かの商売だから子供たちのためにやってるのかもしれない。
    いい歳のおっちゃんがかき氷ちょうだいと行ったら、どんな顔をするかこれも見ものだ。

    さてローカルスィーツ・チャオクワイ。
    これも市場でいつも売ってるわけではないらしい。
    なので偶然見つけた妻がここぞとばかりに甘党の亭主のために買ってきてくれた。いや甘党ではない。雑食性と言い換えましょう。


    チャオクワイ (2)


    毎日昼食の後にチャオクワイを一袋食べる。
    しかしタイでも物価が上昇しているとみえ袋が小さくなり中味も少なくなった。気のせいかと思ったが妻もやはり同じようなことを言っていた。すべてはコロナのせいなのか。
    午前11時までは断食ダイエットを行っているので起床してからそれまではブラックコーヒーと水しか飲んでいないので昼飯後はやたら食べる。冷蔵庫の温度が下がるヒマがない。千日修行のあとの高僧だってこんなには食わない。

    悪いことに妹分アムがたくさんスィーツを作ってくれた。
    あ、お時間です、これは次回のネタにしましょう。




     







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     オニカッコウもちい公も元気なり



     時間の経つのは驚くほどはやい。
     アユタヤに戻り野原をボーっと眺めているうちに一週間が経ってしまった。
     その間にクリスマスがあったようだ。
     毎年のことながらクリスマスシーズンに皆様のブログを拝見するのは楽しい。
     とくにワンニャンブログには思わず笑顔にさせられる。
     彼らワンニャンたちの思いはともかくとして飼い主の気持ちがよく見えるのもこんなときだ。
     みんなやさしくて思いやりにあふれている。子供に対する親の思いとおなじで、子供をメインとしたブログと何も変わらない。
     ワンニャンは幸せ。そしてケアする人間も幸せ。
     見ているこちらも幸せ気分。有難いことだ。

     この時期のタイ、早朝からにぎやかなのはガワオ、ガワオと鳴く和名オニカッコウ(Asian koel)という鳥。カッコウ科の鳥らしいが、オスがメスを呼んでいるという。早朝から暗くなってもまだ鳴いている。タイ語ではその鳴き声から‘ノック・ガワオ’(ガワオ鳥)と呼ばれている。

     すぐ目の前の立木のどれかにいるのだがまだ見つけられない。カメラを向けても枝や葉がじゃまになって確認できないままだ。
     向こうも木の間からこちらを観察しているようですこし網戸を開けるような動きを見せるとすぐに鳴くのをやめる。
     
     もちろんスズメの類もチュンチュンと鳴き、ときおり本物のカッコウがお馴染みの声で鳴いたりする。本物というのもおかしいが誰でも知っている鳴き声のカッコウのことだ。
     その他、声だけでもかなりの数の野鳥が飛来しているようだ。詳しくないのが残念でもある。鳥に関してはいくつかのブログさんにお邪魔して拝見させていただいているが学ぶという姿勢がなく、見て楽しむだけなので一向に詳しくならない。

     いつかこのオニカッコウの姿も見えればいいですが。




    三年ほど前はこちらへ入ってくる道が見えたけれど
    今は下のVDOのようになって鳥がたくさんやってくる

    3年前

    ゴメン何も出てきません
    鳴き声が聞こえるだけ






    本日の一品 ヤム プラードゥック フー
    ナマズの身を細かくして揚げ
    若いマンゴーとミックスします
    すこしピリッとしていますがさっぱりして美味しいです


    ヤムプラードゥックフー(ยำปลาดุกฟู)







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    なにごともなく時がすぎてゆく



     鳥たちのにぎやかな声で起こされる早い朝。
     まだ明けきらぬ時間なのに鳥たちはもうおしゃべりを始めている。
     田舎では鳥たちも朝が早い。

     机に向かっていると知らぬ間に昼食の時間がきて、気がつくともう午後の4時に近い。
     妻の仕事が終わる時間だ。朝早いだけ夕方は早じまいだ。午前7時半が始業時間だから就業時間が短いというわけでもない。

     タイに戻り静かな日々が始まった。
     こんな穏やかな日々は数年ぶりのような気がする。
     何事もない、けれど大切な時間がすぎてゆく。
     こんなことでよいのだろうか、とむかしはよく思ったものだ。それだけ若く野心もあったということだ。
     ふと思う。
     いまの自分に野心、野望などと呼べるものはあるのだろうか。
     ないな、そんなものはない。
     ただあるのは希望、平和な日々が続いてほしいと願うだけ。

     とくにこの1年は厳しかった。
     病気の妹にとって代わってやれなかったこともそのひとつだろう。
     向こうに広がる草原をながめながら、この場所にも案内してやりたかったな。いつからかタイが大好きになっていた妹だった。兄が住んでいたイサーンの町に通っているうちに年に一度のコンサートまでやるようになった。兄が関係していたFMラジオに出たのがきっかけだった。
     妹に関することだけでもいろいろあった。
     しかしすべては終わった。
     ときおり思い出すが悲しみの時間は短くなっている。

     生きていることが大切だ。
     残った者はなにがどうあろうと生きねばならない。
     この時を無駄にせず、向かいあう愛すべきものをしっかりと見つめること。
     そんなことを考えているとメッセージがきた。

    ‘フリーザーの豚肉出しといてくれた?’
     ハイ、言われたとおり、お昼に出しております
    ‘あ、そう、ありがとうね’

     それで思い出した。掃除機をかけとかないと・・・。
     えらそうなことをほざいてもメイドの仕事も兼務とは、大きな声では言えない。

     


    今日の一品 ラープムウ
    豚ミンチに火を通しペパーミントなどの香草とあえたもの
    イサーン(タイ東北)料理のひとつで本場ではかなり辛い
    ちい公の大好物で魔女も食べるのでうちは辛くはしない
    もちろん奥ちゃまがつくった料理


    ラープ・ムウ






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    帰ってきたよアユタヤ




     ホテルからレジンデンスへ戻る前にみんなで夕食を摂るスケジュールになっていた。
     バンコクへ向かって流れているチャオプラヤー川はアユタヤを通っている。したがってこの川沿いにはレストランが多い。今年は雨が多く増水した川の影響で多くのレストランが休業を余儀なくされた。
     しかし幸運なことに水はすでに引き、多くのレストランが再開にこぎつけたようだ。

    grand01.jpg

    grand 02

    ダウンロード (1)



     初めてのレストランだったがよい店だった。
     スタッフの動き方で店の良しあしがわかる。客が少ない時間帯だったがボーっと突っ立っているスタッフが目立つ店はよくない。
     この店は川沿いのレストランの中でも上の部類だろう。スタッフは通りすがりにも何気なく客のテーブルを一瞥しビールなどが減っているようなら注ぎに来る。それはミルキーが飲んでいる水にしても同じことだった。
     当たり前といえばあたりまえなのだが、いつもこちらを注目しているわざとらしさがあるかどうか、何気なさがよいのだ。説明が難しいがちい公はけっこうこういうことにうるさい。
     久しぶりのタイ料理。写真は魔女ブログに載っているのでこちらはパス。でもどれもおいしかった。
     ビャチャーン(象さん印のビール)を飲みながら川面を渡ってくる微かに湿り気を帯びた風が頬に心地よかった。

     しかしミルキーが大きくなったとは聞いていたが驚いた。
     この前の日本旅は3年ほど前だったかまだ8歳くらいだった。ちいさくて可愛かった。淡路島のイルカファームで調教師に教えられながらイルカに手を出す小さなミルキーをいまでも覚えている。

    At Awaji Island (1)

    At Awaji Island (2)

    At Awaji Island (3)

    At Awaji Island (4)


     成長した分ミルキーは理解力も発達していた。
     あたしの喋るなんちゃって英語と時折まざるややこしタイ語をまるで妻のように簡単に理解した。逆にママのポムが、ちい公が何を言ってるのか姉であるうちの妻に尋ねていた。
     学校以外どこへ行くにも2匹のフクロモモンガを連れてゆくという。
     スイカのバッグに2匹が入っている。

    at ayutthaya (2)

    at ayutthaya (1)


     こんな小さな生き物が自分たちを大切にしてくれる人間を識別するというのだからすごい。
     子供は生き物を扱うことによって大切なことを学ぶ。それは単に命の大切さとかだけではなく、弱者に対する思いやりとか人間として基本的にあるべき姿勢をも教えてくれる。
     一時期よく出ていたテレビや映画などのタレント業にはもう飽きたらしい。ママはステージママにはなれないようだ。
     将来は科学者になるというミルキー。
     さてどんな科学者になるのだろう。もしかしたら自然科学かあるいは生物化学かもしれない。
     親ではないがおじちゃんのひそかな楽しみでもある。


     




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     魔女サンタがやってきた


     昨夜のPCRの結果が朝の9時ごろと聞いていたので夜明けから落ち着かない時間を過ごした。
     タイのニュースをあちこちのチャンネルを追いかけながらチェックした。相変わらず多いのは交通事故。高速でぶっ飛ばせる一本道が多いので起きた事故もそれなりに激しいクラッシュだ。テレビでオンエアされる事故のニュースはどれも軽傷などはなく死者がらみが多い。
     いつでも出られるようにラッゲージをロックして時計をにらんだ。
     結局レセプションから電話がきたのは10時半を回った頃だった。
     ネガティブという言葉に言い知れぬ安堵をおぼえた。
    「何時にチエックアウトされますか」
    「10分後くらいに」
     あたしは食い気味に答えた。
     妻は8時半ごろにやってきてホテルのレストランで待っている。
     すぐに電話をかけた。
    「いま連絡がきた。ネガティブだったよ」
    「イェーイ、イェーイ」
     電話の向こうで踊る妻が見えた。

     ひとりでカバンを引きながら1階のレセプションへ。
     やっと解放された。
     しっかり足の裏を感じていないと浮き上がってしまいそうだ。
     つい先ほどまで全身に鎖を巻かれ重い鉄球が何個もぶら下がっていた。それは昨夜一晩だけのことではなく、タイへ戻る準備を始めてからずっと続いていたがんじがらめに拘束されたような感覚。いやもしかしたらそれは世界がコロナに覆われてしまったあたりからもう2年近くも続いていたかもしれない。

     レセプションスタッフの笑顔も明るかった。
     病院からの証明書と簡易検査キットをくれた。
    「1週間後にいちど自分でチェックしてみて下さい」
     あたしも持ってるよとは言わなかった。
     案外まともなホテルだったな。
     知らぬ間に笑顔になっていた。

    「奥様がレストランでお待ちです」
     スタッフがそう言ってあたしのラッゲージを取った。
     プールサイドを通ったさきにレストランがあった。
     窓にへばりつくようにそこでも白い笑顔が見えた。
     あたしはスタッフにチップを渡すのももどかしくレストランのドアを開けた。
    「おかえりぃ」
    「ただいま」

    at Idle hotel 1217


     過ぎてしまえば1年や2年はあっという間だ、とよく言うが、やはり1年は長い、それが2年になればもっと長い。
     思いもかけぬ天災による空白の時。
     人生の秋の時間はとくに貴重だ。
     失った時間をいかにすれば取り戻せるのか。
     まだその答えを解く鍵すら見つけられない。
     しかしいまこうして生きている、その幸運をかみしめながら日々の時間を無駄にせず過ごしてゆこうと思う。

     見なれた車がやってきた。
     妹のポムが現れそして夫のマックが降りてきた。
    「ハァイ」
     窓からミルキーが笑顔で手をふっている。

     コロナ禍の世界でみんないろいろあった。
     それぞれ涙を流すこともあった。 
     だけどこうしてみんな笑顔になっている。
     人もまた再生する。

     










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    長い夜


     
     ホテルでのPCRがおわった。
     これであとは明日の朝に来る予定の結果を待つだけになった。
     弁当を食べ終わった頃、妻がVDO通話でコールしてきた。
     ま7時すぎじゃないか、えらく早いなと思ってから気がついた、ここはタイだ。午後7時は日本時間だと午後9時、いつも定時通信を始めている時間だ。
     スマホのなかで妻が笑っている。
     いつもより明るい笑顔。
     
     この2年近く、ほとんどの夜VDO通話でお互いの無事を確かめ合った。COVUD19という未体験のウィルスは多くの死者を出した。ワクチンが身近にくるまでお互いのどちらかにいつ何が起きてもおかしくない、毎夜のVDO通話で励ましあいながら、もしかしたら明日がないような切羽詰まった感情に支配されることもあった。
     とくに多くのワーカーが在籍する妻の会社では感染がより近くに迫り、同じオフィスのスタッフそしてその母親まで感染するに至った。
    これはいよいよ妻の番かもしれないと、いざとなればいろいろな伝手を頼ってタイへの密航すれすれの入国も算段した。亭主が戻ったからといって感染症に何ができるというわけでもないが、そんなときにはせめてそばにはいてやりたいと思った。
     
     そして今日にいたった。
     最後のPCRの結果待ちとはいえ亭主がすでにタイへ戻っている。
     この夜の会話はいつにもまして笑い声が多かった。

     当初聞いたところではPCRの結果が病院から来るのは遅い時は昼近くになるという話もあり、予約では3食、翌日の昼食まで含まれていた。
     したがって妻は午前中オフィスで仕事をしてから迎えに来るという予定だった。
     しかしチェックイン時に聞いたところではPCRの結果は明日の9時過ぎにくるという。
    「迎えに来なくていいよ。車だけパポップを呼ぼうか」
     パポップというのはいつも頼んでいるタクシードライバーだ。
    「それであたしがレジンデンスへ戻るから君は早めに帰ってくれば」
     と言ったのだが、妻はすでに明日は休むといって手続きをしてしまっていた。
    「朝9時には着くように行くからね」
     アユタヤからこのホテルのある県は隣接しているので3~40分もあれば着くだろう。
     歌ではないが長い夜だった。
     PCRの結果が気になっていた。
     このヒマそうなホテルの信頼性も疑問だったが、とくに飛行機で病人が出たことが不安を煽った。
     万が一あれが新型コロナに関係した病人だったとしても、今日すぐに感染が判明するものなのか。いかにも早すぎるのではないかと思うが、残念ながら素人の悲しさ、心配の種はつきない。
     
     とにかく、とりあえずは結果がシロであってくれれば自由になれる。一度ホテルを出てしまえば、あとになって感染が判明しても自分で病院へ入ればすむ話だ。
     そんなことを考えながら睡眠は3時間もとれなかった。


     








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    タイでもPCR


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     ルールだから仕方ないが、14日に日本でPCRを受けて今日は16日、タイでまたPCRを受ける。
     日本と比較してみれば、日本の場合だと到着前72時間以内のPCR検査証明があれば日本到着時のPCR検査はない。けれども2週間の公共交通機関の不使用と自己隔離、追跡アプリの使用などが義務付けられている。もちろん日本は特例を除く外国人の受け入れを認めていないのだから比較するのは難しいともいえる。
     
     午後6時にPCR検査があるという話だった。近くの病院からナースがくるらしい。
     それまで部屋で待機。 
     夕食がきた。
     弁当だ。コンビニ弁当のような容器。PCRがすむまで落ち着かないのでまだ食べない。
     少し前まで14日間の隔離待機が必須だった。毎日三食こんな弁当を食ってそれでも我慢しかなかった。自分たちもいざとなれば14日のホテル隔離もやむなしと覚悟を決めた時期もあった。感染状況が落ち着く気配が見えて、結局今になってしまった。

     6時過ぎにベルマンガ呼びにきた。
     タイのナースは荒いと散々聞かされてきた。妻の会社でPCRを実施したときはほとんどの女性が涙を流したという。
    「鼻も喉もぐいぐいゴリゴリよ」
     あのときは他人事だったので妻の話に大笑いした。そもそも妻の話は振り付きでいつもおもしろい。
     しかし、明日は我が身とはこのことだ。

     前を行くベルマンに聞いてみた。
    「PCR痛くないかい」
    「イタイですよ」
    「えっほんとかよ。こわいなあ」
    「コワイですよ」
     しまったこんなおっさんに聞くのではなかった。笑ってやがる。

     1階に診察室のように設定された小部屋があって、そのとなりの通路に案内された。風通しの良い場所で検体採取をするらしい。
     診察室のドアが開いてナースが出てきた。いちおうビニールの防護スタイルでマスクとキャップ、それにメガネもつけている。
     細長いテーブルに透明なアクリルが立ち穴が二つ空いている。こちら側の椅子にあたしが座り、ナースが反対側から穴を使って採取を行うようだ。
    「こんにちは、これからPCRを行いますね。まずお名前と生年月日、これで間違いないですか」
     検体採取の小指ほどの細い容器に貼られたシールを見せる。
    「見えないよ、めがねわすれた」
     するとナースはよりあたしの目に近づけようと穴から手を越境させてくる。
    「見えないよ。無理だよ。あなたは私が若いと思ってるかもしれないがかなり年輩の一休さんなんだよ」
     一休さんがウケたようだ。ナースは笑いだし、そして咳払いをすると、
    「では生年月日を言ってください」
     そうだよそれを早く言えばよいのだ。

    ikkyuusan8888.jpg


     喉と鼻の両方から採取するという。
    「あ、私は長年鼻に問題があってときどき強く鼻をかんで血が出たりするからつよくしないでね」
     こういう意味合いのことを英語で言った。鼻をかむなんて言葉は英語でもタイ語でもしらないからジェスチャーつき。
     痛いのはイヤだ、これはタイ語で言った。
     そしてまたそれがウケたらしい。
     笑い声が若かった。よく見ると目がぱっちりしてなかなかではないか。
     おじさんは調子にのって、
    「一休さんを泣かしてはいけないんだよ、仏陀が怒る」
     今日の客はよく笑ってくれる上客だった。
     こんな日は演者もノッてしまう。

    鼻の一方と喉から検体採取して終了。
    日本と同じだった。とてもソフトな指さばきで痛くもかゆくもなかった。くしゃみだけが出そうになった。
    「ありがと」
    「カァ、コップンカァ」
     ワイ(合掌)もなかなかではないか。

     先ほどまでの心配は嘘のように消えた。
     単純なものだ。
     このあと明日の午前中まで部屋に籠って結果を待つ。
     気になって眠れなくなることもこのときは考えもしなかった。
     今日はあたし一人だけらしかった。かわゆいナースは検査台を片隅に押しやり椅子も折りたたんだ。

    「Ok 行きましょう」
     気の利かないベルマンガ急かすように言った。

     
     
     
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    自己隔離の夜

     
     自己隔離のホテルはバンコク市内を選択しなかった。
     事前の調査ではタイ政府が認めた隔離ホテルも様々な問題が出ていた。
     ながく観光客がストップした業界は倒産を免れたところはまだ幸運なほうで多くのホテルが閉鎖に追い込まれた。観光収入が30%近いタイの経済はコロナの影響が特別に大きかったようにみえる。
     政府は、悲鳴を上げ不満を募らせる観光業を救済する意味合いも兼ねて外国観光客の受け入れを決定した。一日あたり5000もの新規感染が続いているなかでの決定はいかに経済が疲弊し政府自体も他に救済のすべがなかったかを如実に物語っている。

     そこで現れるのが手段を問わず一気に稼いでしまおうという輩ども。
     この前に最初に門戸を開いたプーケットではすぐにぼったくりタクシーの問題が浮上した。
    そして今のバンコク。
    外人観光客を宿泊させるホテルには当然ながら感染防止とPCR検査のために当該病院との提携が求められる。政府が認可したホテルでは宿泊客にPCR検査を提供し結果が出るまで最短一泊の隔離監視を行う。そのためそのような手続きがセットになり宿泊費用も高くなる。

     そこで先ほどの話に戻るが、バンコク市内の悪質ホテルでは政府認可を得ているにも関わらず予約時にPCR検査などを受け付けず、客がやってきてチェックイン時に、あなたのPCRは聞いておりませんと、ふざけた話になるらしい。
    PCRで問題なければ一泊だけで翌日から自由に行動できると楽しみにしてやってきた客は途方に暮れるという筋書き。ホテルで怒っても話はつかず結局は自分でPCRを受けられる病院を探し回るという羽目になる。それがイヤなら料金割増しで手配しましょうかという場合もあるらしい。

    まるきり詐欺のような話、マスコミでも問題になった事実。
    なので今回あたくしが泊まることになったホテル。
    バンコクから北隣の県パトゥムターニー、ちょうどバンコクとアユタヤの中間地点になる。郊外の半リゾートのようなホテルだが政府の隔離認可を受けている。
     そのため予約時点でPCR検査費用も支払った。1万円近い額だったからけっして安くはない。

    map from airport

     バンコクから離れたといってもあたしはけっしてやれやれと安心していたわけではない。
     もし悪質ホテルならば検査の病院と結託し陽性だとして数日の検査隔離などと言われる可能性もなきにしもあらず。それで安くもない宿泊を延期などされたらたまったものではない。それに医療保険だって合計1000万限度の保険を買っているのだ。保険目当てに入院などと言われることだってないとは言えないだろう。
     なんせここは日本ではないのだ。なにがあってもおかしくない土地なのだ。したがってあたしは、あくまでも万一だがそんなことがあったときの場合に備え、自分で体温計や簡易検査キットを所持し、妻には、あたしが陽性だと告げられ無症状で不審がったときには会社の医務室から検査できるスタッフを派遣してくれるようにとあらかじめ言っておいた。出来るケンカの準備は怠ってはならい。
     なので妻も翌日の結果が出るまで気が気ではなかっただろう。なんせ亭主は最近おとなしくはなったとはいっても喧嘩っ早い向こう見ず渡世人なのだから。

     お読みになっているあなたは、なんでそこまでして行くの、バカみたいね、と思われるだろう。
     でもこれも仕方ないのです。人の世に生きているかぎりしがらみから解き放たれることはまずないのですから。

     また長くなってしまった。
     かわゆい看護師さんが登場するお話は次回にしましょう。


     









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