
依頼された仕事が遅々として進まず。
根が生えてきそうな気がして外に出た。
冬空とはいえまさしく抜けるような青空。
・・ああ。こんな青空を見て涙が出そうになったのはいつの頃だろうか。
感受性豊かだった青年は歳を重ねた。
もうあくせくするのはいいんじゃねえか。
そんな声が聞こえてくる。
なにもかも放り出して水戸黄門になりたい。
助さん格さんの代わりに魔女を連れて旅に出ようか。
世直しはできないが行く先々で人々を笑顔にはできるかもしれない。
なんせうちの魔女奥さんはコメディアンの素素質がある。
それを書いてまた仕事にするか。
ああダメだな日本人。人生を楽しむことに長けていない。