
夜になり甘いものがほしくなってコンビニへ。
肩をすぼめるようにして店へ入ったあたしの背中越しに、
「いらっしゃいませっ!!」
まるで寿司屋のような威勢良さに思わず笑ってしまった。
菓子パンやロールケーキなどおなじみのものを持ってカウンターへ。
「いらっしゃいませ!」
「どうしたんだ今日は、祭りでもやってるのか」
「えっ?」
「やけに元気がいいじゃないか。まるで祭りの屋台だ」
そんなことをしゃべっていると奥からオーナーが出てきた。50歳そこそこの男性だが、腰が低く感じは悪くない。
「先日はご注文いただいたのに間違えてしまって申し訳ありませんでした」
妻が持って帰るのにイチゴ大福を取り置きしてもらった。
オーナーと道でばったり出逢ったので口頭で頼んでおいた。しかし妻が帰る当日、店に行くと、ほしかったものとは別のイチゴ大福、ビニールでパックされたものがキープされていた。
どうやら頼んだこちらが詳しく説明しなかったのが原因だったようだ。
当方がほしかったのはイチゴ大福でも一個ずつプラスチック容器に入ったものだったがただイチゴ大福と言ってしまったのだ。
「ほんとにすみませんでした」
「いや、いいよいいよ。ちゃんと説明しなかったこちらにも非がある。それに妻はあの大福でも喜んで持って帰ったから」
春にあたしが戻るときにまた注文しよう。
なんだか最近はバンコクへ戻るたびこのコンビニのデザートを注文している。
前回は大量の「もち食感ロール」だった。みんなに配って好評だった。
