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    男同士がグラス傾け

    日々のドキュメント 旅  アジア 
    04 /29 2018

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    「俺はさ、できれば早くこの会社を引退したいんだよ。そして好きなことをやって生きたいんだ。あんたがうらやましいよ俺は」
     そんな話を聞きながら、グラスを傾ける日。
    「なにがうらやましいだよ。大した仕事もせずに高給取りやがって、辞めてもらいたいのは会社のほうだろう」

     彼は役員だから定年には関係ないらしい。
     実質のナンバー2として経営を切盛りしてきたが、
    「もう疲れたよ。あくせくする毎日はもうたくさんなんだ」

     で相談というのは、新会社を設立するからあたしに手伝えというものだった。

    「私に出来ることがあるならイヤとは言わないが、あとはギャラ次第だな、地獄の沙汰も金次第だ。しかしな・・・」
     気になることがあった。
    「しかしな、あくせくするのは嫌だとか言いながらまた何かを始めるなんて、どうかしてるんじゃないか、典型的なワーカホリックじゃねえか。それとも今計画しているのはあくせくしなくてもどんどん金が湧き出るような仕事かい」

     所詮日本人は働くのが好きな人種なのだ。つくづくそう感じた。

     そんなにしんどけりゃさっさと辞めて違う世界に身を置けばよいのにな。
     口で言うことは簡単だが現実はそんなにうまくゆかないのは承知。長く生きてきた世界で、しがらみひとつとってもあっさり割り切れるものじゃない。

    「しかしな、それほど生活を変えたいのなら、それが本音なら、いまこそ過去のしがらみを断ち切って出発するに絶好のチャンスじゃないか。どうするかは自分自身だ。明日の飯に困ってないのならしばらく遊んでみな。できるならばだが、それができりゃなんでもやれるさ」

     その夜はそんな話で終わった。
     また来ると言い残し彼は日本へ帰った。

     
     
      



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    ちい公

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    空ゆく雲のようにいつも自由でありたい。もとノラのちい公がお届けするごく私的な日常と愛する国そして人々への思い