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    ああ夏休み③ 夏の朝は

    日々のドキュメント 旅  アジア 
    07 /26 2018

    ああ夏休み③ 夏の朝は

      
     渓谷の向かいから眺めると急な山肌にしがみつくように三軒の家がちょうど逆三角形に点在している、それが我が集落だった。

     眠い目をこすりながら早起きした。
     昨夕、川に仕掛けたウナギ竿を上げに行く。夏だけの楽しみ。

     竿といっても30センチほどの棒切れにタコ糸を結んだだけのもの。先にはウナギ針、エサはミミズ、いたって簡単な仕掛け。

     それを何本かつくり、これはと思った岩の下に仕掛けておく。忘れないようにそれぞれの岩の上にいくつか石を置く、それが目印だった。

    unagi (2)


     そろそろと小枝を引き出す。食いついていると当然重い。暴れるウナギを竿ごと魚籠に放り込む。
     釣果のあった朝は足取りも軽く丘を駆けあがる。
     一匹あるいは二匹、これだけあれば家族がみんな食べられる。

     そして6時半になる前にもう一度坂を駆け下る。
     下の家でラジオ体操が決まりごと。
     我が家からはあたし一人、この頃妹はまだ幼く学校に行ってなかった。もう一軒からは男の子ふたり、中学生と小学生そして下の家ではお姉さん中学生と弟の小学生、みんなで五人。
     大きく枝を張った梨の木の下、ラジオに合わせて体操。
     終われば当番の上級生がハンコを一つ。

    「じゃさいなら」
     また丘へ駆けあがってゆく。

     庭に入るともうよい香り。
     母が表でウナギを焼いている。
     貧しい時代の贅沢な朝。

     いつものように繰り返される夏の朝、
     でも幸せだったあの夏の朝。




    コメント

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    旅の途中でしょうか?

    こんにちは。

    ここ数日のトピックを読ませて頂き、
    幼い頃の環境などが非常に似ていると驚いています。

    僕も小学校生の時に通知表は1~5評価でした。
    勉強嫌いだったので、5を取った記憶はありません。(笑)
    一番のダメなのは、本を読むのが嫌いだった事ですね。
    ちい公さんや窓さんのブログを読んでると、
    難しい言葉や表現が出て来て、いつもCortanaで意味を調べながら読んでます。(笑)
    日常使わない、難しい言い方は本を読まないと知識として入って来ないんだと思いました。
    まぁ、僕だけかも知れませんけどね。(笑)

    小学生の時に仲が良かった友達がいてたんですが、
    「わし、心臓に穴が空いてて中学生で死ぬから勉強せん」って口癖のように言ってて、
    中学に上がる時に、「広島の大きい病院で看てもらう」と言って転校しました。
    その一年後に亡くなりました、心臓弁膜症だったんです。
    今なら治せる病気ですよね、母一人子一人で貧乏はしてました。

    僕は山の中の一軒家生れで、山の中で小さな棚田で米を作っていました。
    棚田は岩組が多く、その岩の隙間にウナギがいました。
    こんな山奥にウナギが上がって来るのが不思議でした。
    太めの針金にウナギ針を付けて、エサは同じくミミズです。
    蒲焼きにして良く食べましたよ、キリで刺して背割りです。

    お宮の境内でラジオ体操がありました。
    家から坂道を転げるように下りると、お宮まで3分ですが、
    ここから家に帰るには10分間の登山が必要でした。(毎日の事でした)
    帰るのが面倒くさくって、そのまま遊びに行ってよく叱られました。

    Re: kotobuki 様

    いつもお読みいただきありがとうございます。
    取材の旅がつづいております。
    もうすこしすればいちど大阪にも立ち寄るつもりです。

    お互いまるで日本の原風景のような山村で育ったのですね。
    ほんとによく似ています。
    同郷人のような親しみさえ感じます。

    ところで足はかなり回復しましたか?
    日々つとめて歩かれているようですね
    どうかお気をつけて。

    旅の空の下にて ちい公拝

    ちい公

    ようこそ! 
    空ゆく雲のようにいつも自由でありたい。もとノラのちい公がお届けするごく私的な日常と愛する国そして人々への思い