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    ああ夏休み 劣等高校生③ やったるぜ

    日々のドキュメント 旅  アジア 
    08 /10 2018

     

    「受験勉強いっしょにやらないか」
     彼はそう言った。
     それまではたくさんいる友人の一人でしかなかった彼だったが、なんとなく親近感を覚えていた。それはお互いよく似た家庭環境で彼は祖父母と暮らしていたのだが、そんなことも影響していたのだろう。

     その日から二人はお互いの志望大学をパスするために自分たちの力だけでやれる作戦を練った。
     
     とはいえやったことは普通の受験生がやるようなこと。傾向と対策はもちろん赤単の1ページ目から単語を克服してゆくなどで、それほど変わった勉強法ではない。そもそも塾や予備校などを知らないから自分たちで考えるしかなかったのだ。

     受験まで数か月。時間を有効に使おうということで毎日授業が終わると教室にそのまま居残って勉強した。
     誰もいない教室は最適の勉強部屋となった。
     当時の学校は警備員でなく宿直の教師がいたのでわたしたちは勉強を終えると教室に鍵をかけ返しに行く、それでよかった。

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     二年のときからつきあっていた彼女とはそのままだった、ほとんどの時間は勉強に費やし当然二人きりで会える回数は少なくなっていた。
    「がんばってね」
     たまに二人になればいつもそう言ってくれたやさしい女の子だった。

     高校三年生。
     忘れられないのはやはり夏休みだ。
     彼と二人で相談して決めたのは、夏休み中、朝の涼しい時間帯が貴重でこれも教室を使おうということだった。
     学校に話すと簡単に了承された。
     毎朝学校に行くのだが、これが苦にならなかった。人間は変わることができる。

     当時の教室にはもちろんクーラーなどなかったが快適だった。
     この夏の毎日が受験勉強に大きく役立ったことは間違いない。

     そして秋口に行われた全国共通一次模試。
     ちい公はベストテンに入った。もちろん上位からのベストテンだった。あの劣等生が、と驚く仲間も多かったがそんなことはどうでもよく、本人としてはまだ不満足だった。志望大学はまだ遠い夢だった。

     自分はやればできる、そんな根拠の希薄な自信だけでとにかく受験対策に集中した。
     出欠の必要ない授業はもちろん出ず授業中でも図書館にこもった。教師も分かっていて何も言わなかった。
     したがって定期テストはどうでもよく、ただ卒業できるだけのレベルを維持することに決めていた。赤点さえとらなければよかった。大学に出す高校の内申書などは犯罪歴さえなければ問題なかった。

     こんな高校生活がけっしてまともだとは思わない。自分たちのようなやりかたが正しい勉強法なのだと言ってるわけではない。
     しかし、高い授業料を払って受験予備校に行けるわけでもない我々が大学の門をくぐるために独力でできることはこれくらいしかなかった。

     競争の激しい時代、勝者になるために誰よりも集中する、それしかなかった。時間もなかったのだ。


    追記:この話は数日後に続く予定です


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    コメント

    非公開コメント

    こんにちは~~~♪

    先日来の、ちい公様の来し方綴り。
    興味深く、拝読させていただいています。
    今日は、共通一次に、反応しました。^_^

    わたしはこのころ、とにかく、青く尖っていて、
    啄木に真髄していたのです。
    今は、丸くなりました、いろいろと。(;^_^

    Re: 窓 様

    こんにちは~~~♪ 窓様~~
    暑いですね お元気そうでなによりでござります。

    日本滞在中は仕事の中味を書くわけにもゆかず
    苦肉の策の果てと申しましょうか
    夏休みにかこつけていろいろ書いておりますが
    あらためて言われるとこっぱずかしくなります。

    そうかそうですか文学少女だったのですね
    もしこの時代にちい公と会っていれば
    きっと窓様お嬢は軽蔑の眼で私を眺めたのでしょうね。

    考えるのはやめましょう、情けなくなりますばい。

    ちい公

    ようこそ! 
    空ゆく雲のようにいつも自由でありたい。もとノラのちい公がお届けするごく私的な日常と愛する国そして人々への思い