自慢じゃないが洗濯機は長い間全自動を使ってきた。
日本でもタイでもそうだ。
しかし今回の引っ越しを機に奥ちゃまはドラム式なるマシンを買うと言って妹と二人でさっさと決めてきた。
長い雨が続いたときに重宝するからというのがドラム式選択の理由だ。しかしそれについてはとやかく言わない。
おばあさんの家ではずいぶん昔からドラム式だったということで彼女はその便利さもよくわかっていた。
いっぽうあたしは自慢じゃないがクリーニング屋で大きなロールがくるくる回っていたことくらいしかドラム式洗濯機についての知識はない。
そんなわけでバンコクからは洗濯機を持たずに来て1週間後ようやく配達、設置が完了した。
静かだが中を見ると洗濯物がくるくる回っている。どういう仕組みなのか、飛行機の窓から覗くように洗濯機を凝視するがどうもよくわからない。
排水パイプにしてもそうだ。従来の洗濯機は下のほうからパイプが出て水は引力で出てゆく仕組みだった。ところがドラム式は排水パイプがずいぶんと上のほうにあるのだ。
「こうなってるのよ、これで大丈夫なのよ、ちゃんと水は出てゆくんだから」
「・・・・・」
「そうやって洗濯機を眺めている姿は、まるでフリントストーンだわ」
ゲラゲラ笑われた。
「そんなに見たいのなら中に入ってみれば、スイッチを入れて回してあげるわよ」
ああ文明開化だ。
平成も終わるのだ。
おじいさんはもう川へ洗濯にゆかないのだ。
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