日々の生活に睡眠は重要な要素。
しかしその眠りが浅かったりすれば結果として肉体に様々な障害が生じる。
またもうひとつ快適な睡眠に欠かせないのがベッド。

今回バンコクからアユタヤへ転居するにあたりコンドミニアムにベッドはそのまま残してきた。新しい住まいになったレジデンスは新築でベッドも新しいものが用意されていた。
ところがしばらく生活しているうちにベッドのマットレスの不具合と思われる異変が生じてきた。
スプリングマットレスは当初はフワフワして気持ちよかったが次第に腰あたりに痛みが出るようになった。
妻は体の不調かと医者にも診てもらったが内臓や骨に異状なく、これはベッドに原因があるのではないかと思われた。
たしかにいま使っているベッドはスプリングが軟らかすぎる。
たとえば深夜、妻が寝返りをうっただけで大きく揺れる。哀れな亭主は、すわ地震か!と思わず飛び起きてしまう。もちろんそれが誰かの体重のせいだとはけっして考えない。こんなことが何度かあった。
妻は腰痛で亭主は不眠症。シャレにもならない。
ある夜のこと、
「ねぇ話があるんだけど。気にしないで聞いてね」
言い出したのはもちろん妻。
要するに体の調子がよくなかったのでベッドのマットレスを替えたいというものだった。
もちろん亭主に異議があるわけもない。
「であちこち調べて、土曜日に届くことになったの」
なんでも思いついたらすぐに実行してしまうので、そんなことだろうと思っていた。なので驚きもしなかった。
ただその値段を聞いて少し驚いた。そもそもベッドのマットレスがどのくらいの価格帯なのか調べたこともない。
「ゴムの木を圧縮したものとウレタンの2重層になっていてバンコクで使っていたのと同じような感触なのよ」


土曜日、男性3人がかりで運んできた。重量80㎏のマットレス。
日本円で約6万円ほどの出費。
これが高いのかどうか、聞けばこういうものはそれこそピンキリで価格もさまざまらしい。今回は工場から直接買ったが、これがデパートなどでは倍以上の値段がついているという。
これで安眠でき腰痛なども軽減されるのであれば安いものだろう。
もうひとつ欲を言えば、これで魔女の悪夢、とりわけ亭主が不在の時に多く見る夢も軽減できないものか。
「あなたが女性と歩いていた」
ありえないことを聞かされ、そのたびにドキドキする、これも身体によくない。