
クリスマスの朝になった。
ジローちゃんが靴下の上にひっくり返っている。
「やはりサンタは来なかったな」
誰にともなく言った。
「ジローが言ってるわよ、パパがサンタなのよって」
言われて気がついた。
そうだな、あたしがサンタになるべきだった。
ジローちゃんがほんとの子供なら山のようにプレゼントを積んでおくのにな。
妻が日本人でなくてよかった。
クリスマスプレゼントの習慣がなくてよかった。
そんなことを思いながらもすこし後ろめたい気分になっているクリスマス。
Author:ちい公
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空ゆく雲のようにいつも自由でありたい。もとノラのちい公がお届けするごく私的な日常と愛する国そして人々への思い