我が家の洗濯は週一度、週末と決まっている。
一度で干しきれないので土日の二日間に渡ることが多い。
「今週は木曜か金曜にお洗濯お願いね」
「あいよ、でごわす」
いろいろ言いつけられる家庭の用のなかでも洗濯は好きな仕事だ。返事も極めて良い。
今週末は短い旅に出るのでその前に洗濯をすませておこうということだ。
年に何度か洗濯の話題になる。
たしか前回は秋ごろ、こちらへ転居して間もない頃だった。
バンコクで使っていた洗濯機も買い替え時だったので荷物を軽くするためにそのまま捨てることにした。そしてドラム式の乾燥機つきタイプを買った。

新しい洗濯機が原始人にはもの珍しく、前に座ってクルクル回転する洗濯物を飽きもせずながめて過ごした。
これはなかなかの優れものだ。
汚れがひどければ水温を上げることもできる。
もちろん乾燥までできるが、それは許可されていない。
「雨がつづいたときだけね。もったいないでしょう」
それはそうだ、もっともだ。
テラスに洗濯物を干す作業がどうも面倒だけど、自然の風で乾燥させた衣類は気持ちよい。
洗濯は好きだと書いたけれど、実際は動いている水や洗濯物を見ているのが好きなのだろう。
もうなくなって久しいが、何世代か昔のタイプ、洗濯槽を上から見られるのはよかった。
渦巻きをただ眺めているのが好きだった。気持ちが落ち着いた。同時に身についた埃まで渦の中に吸い込まれるような気がしたものだ。
その点、全自動や、まして今のドラム式では扉があってすこし様相が違う。
なかでクルクルと衣類が回転している。
ときおり激しい水音がして排水しながら回っているときもある。それぞれのコースでプラグラムが違っているのだろうが、まだそこまであたくしの研究は進んでいない。
洗剤と柔軟剤を忘れずセットする。
教えられた通り、選択コースはMIX。水温はお湯を使わずCOOL、あとは衣類の重さなどで自動設定される。
ドアの前に腰を下ろす。ここからはただ眺めていればよい。
7人の小人がワッセワッセと働いている。
天下泰平でごわす。
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