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    魔女と亭主

    日々のドキュメント 旅  アジア 
    02 /01 2019

    rein tree hotel welcome elephant (1)


     待ち合わせのホテルにほうほうの体でたどり着いた亭主。 

     ことの成り行きを聞いた魔女は、すぐには口を開かず、じっと亭主を見つめたままだった。瞬きひとつしないのは怒りが込められているようにもみえた。

     ・・・おいおい冗談だろ。何にもおきてないじゃないか。坊さんの像に大したことを言ったわけじゃない。少なくとも直接相手を非難などしていない。
     亭主はそう思ったが口には出さなかった。

    「だいたいのことはわかったわ。あなたのいつもの悪い癖、ヘンな正義感というのそれとも日本人としての正しい考え方かしら、それが出てしまったのね」

    「おいおい待ってくださいよ。あたしがなにか間違ったことをしましたか。日本人である私が言うことのすべてが正しくてそれが日本国、日本人を代表する意見だなどとけっして思ってるわけじゃない。ただ自分の思いはこうだと話しただけだ」
     
     それを聞くと魔女は立ち上がり、ベッドの上あたりを指さした。
    「このチャーン、あなた見えるでしょ」
     チャーンとはゾウのことでありベッドの上にタオルで作られたウエルカム・エレファントが置かれている。

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    「これはなんの変哲もないタオルだけど、このように折られることでチャーンとなり、そしてあることをすれば鼻をふり上げることだってできるのよ」
    「あることって?」
    「それをあなたは信じないだろうし、説明しても分かってもらうのは無理だわ、だってあなたは仏陀を信じる心を否定する」

     この言葉には温厚な亭主もカチンときた。

     自分も日本の仏教徒である。ことあるごとに参拝を欠かさないタイ人に比べれば、けっして真面目で敬虔な仏教徒とは言えないにしても、寺社にゆけば合掌することは忘れない。

     口を開こうとした亭主の気配を察して魔女が、
    「あなたにはなにかよくないものがふりかかってきたようだわ。ここは旅先だから明日の早朝、近くの山へ行きましょう」
    「はあ、山? ですか」
    「太陽のパワーを、とくに朝の太陽にはすごい力があるの。それを借りるわ。でないとあなたはセミの抜け殻と同じになってしまう」

     風雲急を告げるイサーンのホテル。
     あわれ亭主は明日の朝まで生き延びられるのか。


      拍子木 ・・・カチ!カチ!・・


     このつづきはここで続けて上演するよ。
     さあさあみんな甘イカや水あめ買っておくれよ、おいしいよ。



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    ちい公

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    空ゆく雲のようにいつも自由でありたい。もとノラのちい公がお届けするごく私的な日常と愛する国そして人々への思い