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    風にふかれてスコータイ 食堂のおかみさん

    日々のドキュメント 旅  アジア 
    03 /12 2019


     スコータイ旧市街の通りにはたくさんのレストランというより食堂が並んでいる。が、どれも似たようなメニューで、これはというものがない。
     よくよく考えてみるとスコータイに来たからといって特別な食べ物があるわけでもない。
     あえていうならばおなじみのタイ・ヌードル、クイテオというもので、これだけは各地方によって特色があるようだ。
     これについてはまた田舎道の食堂で食べたのでいずれその話もします。

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     さてさて昨日のつづき、レストラン・イム・プレエ(おなかいっぱぁい)。
     おかみさんが気さくで話しやすいこともあって町へ出るたび寄ることになった。

     前回、喉が渇いてビールを注文するとアルコール類は置いてなかった。
     しかしのんびりしているようで商売のことも考えているらしくその次に寄ったとき、さて何を食べようかとメニューをながめていると、
    「ビール買ってきたわよ、ビヤ・チャーンね(象さんビール)」
     冷蔵庫を開けてみせた。
     ビヤチャーンが数本並んでいた。

    「わかった。まだ早いから町をウロウロしてご飯を食べるときにね」
     とりあえずスイカのシェイクを注文した。これがなんともいえず美味しいのだ。
     料理をしないおかみさんが飲み物の担当で表でミキサーを回す。

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    「スコータイでなにか名物とかお土産にいいものがないですか」
     妻が聞く。
     どこに行ってもそうだが必ずお土産物を気にする。オフィスの連中が楽しみに待っている。あたしには悪い習慣に思えてしかたがない。

     どこへ行ってもお土産を義務のように探すのは日本人とよく似ている。いつも思うことだが、このあたりが同じアジア人なのだ。

     ただタイ人には餞別のような習慣はないようだ。いまだかつて聞いたことがない。

     とはいえ昔の日本のように、ちょっと旅にと言えば誰かが餞別を出す、逆にこれは面倒なことだろうと想像する。いつも、お土産を買わなくてはと気になって旅のだいご味が半減するような気がする。しかし人によってはあたしのようなめんどくさがりばかりではなく、旅に出てお土産を物色するのが楽しいという方もいることだろう。

    「スコータイにはなんにもないわよ。あるのは遺跡だけ」
    「ほんと?」
    「ほんとよ。スコータイ生まれの私が言うのだから」
    「ママはここで生まれたの?」
    「そうよ。ここで生まれてここで育ったの」
     世が世なら王家の末裔だったかもしれない。
     今度はあたし、
    「じゃあなたのルーツもここ?」
     妻がタイ語に訳す。
     あたしは、聞くのはなんとか理解できるが難しい話になると英語の方が早い。
    「そうよおじいさんの代、そのずっと前からね。詳しいことは知らないけど」
     アハハと口を開けて笑う。

    「ハズバンドは歴史に興味があってスコータイに来たのよ」
    「へーぇ。私はここで生まれたけれど詳しい歴史なんか知らないわ。インターネットを見た方が早いわよ、アハハ」

     しゃべっていると白人の女性グループが入ってきた。
     メニューを見ながら何かオーダーしようとしている。
     おかみさんには通じにくいらしい。
    「ねぇちょっと来てよ」
     妻が呼ばれた。
     魔女通訳の話によれば、なにかのアレルギーでナンプラーとか大豆系の調味料などを使わないでほしいということだった。

    「いつもこうなのよ、助かったわありがとう。お金の勘定だけは英語で話せるのだけど」
     度胸だけで外国人が多い町で商売しているのだ、たいしたものだ。これがタイだ。どこへ行ってもタイなのだ。

     そうこうしているうちに、また外人女性の二人連れが表側の席に座った。
     ビールがあるかと聞かれたらしい。
     ビヤ・チャーンを引っ提げて、
    「60バーツ、Okay?」
     相手は納得した。
     するとおかみさん、なにをするかと思えば、わたしたちの方に向かって親指を立てウインクしたのだった。

    「オーイ、あたしのビールも売られるのかな。でもあれだな、あたしがビールと言ったから買ってきておいてよかったじゃないか」
     見ているだけでおかしくてしばらく座り込んでしまった。

     最後の日。
     わたしたちはお店に顔を出した。
    「こんどいつくる?」
     ひっくり返りそうになった。
    「また来るのかよ」
     すると妻が、
    「そうねまた来るわ。覚えておいてね」
    「忘れないわよ。これでも記憶だけはしっかりしているのよ、アハハ」
     
     また行くかもしれない。
     そしてまたあの店で騒ぐことになるのだろう。

     スコータイ・オールドシティ
     レストラン・イム・プレエ(おなかいっぱぁい)
     楽しいおかみさんだった。


      
     
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    コメント

    非公開コメント

    No title

    食堂のおかみさんとお話しするのはわたしも好きです。手振り身振りで、おたがい「わはははは!」と笑って、何を言ってるのかよく分からないところが、まさにおばさん同士の会話です。v-20

    おはようございます

    いいなおかみさん(*´ω`*)
    屈託がないってこういうことかしら?

    Re: ピオの父ちゃん 様

    アハハ! なるほどね。

    そんなときに使う私の得意なタイ語です。
    「プーチャチャーダイマイ カップ」
    ゆっくりしゃべってください

    これを言うとまた話が盛り上がって
    よけいにわけがわからなくなることがしばしばです(笑)

    Re: つばさぐも 様

    春めいてきたような日本
    お元気でお過ごしのご様子なによりです。

    >屈託がないってこういうことかしら?

    まさにおっしゃるとおりですね。
    屈託がなくて退屈しません・・・

    て、これJOKEのつもりですがイマイチ。

    ちい公

    ようこそ! 
    空ゆく雲のようにいつも自由でありたい。もとノラのちい公がお届けするごく私的な日常と愛する国そして人々への思い