FC2ブログ
    にほんブログ村 ライフスタイルブログ 自由人へ

    愛しき日々・オートバイとバイク乗りたち ③

    日々のドキュメント 旅  アジア 
    05 /19 2019

     ドッドッドッ、ドッドッドッドッ
     腹に響く重低音。
     アクセルを回す、
     ドッドッ~~ヅゥーン~~ブゥーン~ドゥーン

     身体が後ろへ持ってゆかれそうになった。
     あわててドライバーのお兄さんにしがみつく。

    「どうや、おもしろいやろ」
    「・・うん」
     緊張と興奮で声が出なかった少年。


     バイクにはご存知のように小型から中型そして大型自動二輪と排気量によって細かい区分けがされていて免許もそれぞれ分けられている。

     大型自動二輪、あの時代はまだ重単(じゅうたん)という言葉が一般的に使われていた。そのエンジンの大きさによって軽単、中単、というような呼び方があった。単はその当時のバイクの呼び名、単車からきている。

     貧乏人のお坊ちゃまが初めて重単(大型バイク)に出会ったのは町の中学校に通っている頃だった。
     近所にあった自動車修理工場、そこで働いているお兄さんと知り合いになった。
     九州出身だという記憶しかないけれど本で見た西郷隆盛のイメージがそのまま当てはまるような風貌で、それがそのまま成人するまで九州男児のイメージとして残っていた。


    KAWASAKI02


     そのお兄さんがオートバイを買った。
     カワサキの重単。今になって調べると当時としてはめずらしいという750CCだったからおそらく KAWASAKI 750RS[Z2]という車種だったのだろう。

     彼は休みになると重低音を響かせながらどこかへへ出かけていった。あとで聞くとあちこち走っていると言った。今で言うツーリングだった。

     いつもピカピカに磨き上げられたオートバイ。
    「乗ってみ」
     エンジンをかけたまま座らせてもらった。
     こんな大きなオートバイなんて自分は一生運転できないだろうと思った。スタンドがなければまっすぐ立っていることもできない。
     戦車がどんなものか触ったこともなかったがそのときはこんなものだろうと想像できた。

     一度だけ乗せてもらった。
     海岸に沿った道路を走った。
     あの感覚。腹に響くエンジン音。
     映画の中にいたような不思議な記憶。

     お兄さんはそれから間もなくして工場を辞め九州の田舎へ帰った。家業を継ぐとか聞いたがそれ以上は定かでない。
     もうけっこうな年齢になっているはずだ。
     もしかしたら、まだオートバイにまたがっているかもしれない。


     



    にほんブログ村 ライフスタイルブログ 自由人へ
    にほんブログ村

    コメント

    非公開コメント

    No title

    もうけっこうな歳なのに稲妻マークをつけて、雪の中を単車で走っている友人がいます。「寒い、きつい・・・」とこぼしてばかりいるので、「軽の中古を買えばいいじゃん」と言うと、いつも決まって「分かってるんだけどなあぁ~」と言って黙ってしまいます。v-390

    Re: ピオの父ちゃん 様

    バイク乗りたちの気持ちがとてもよくわかるひとコマ
    ありがとうございます。
    そのご友人のイメージが不思議とくっきりと見えてきたような気がします。

    おはようございます

    私のおじもライダーでした。
    (九州男児です)
    エンジン音…
    懐かしいです。

    Re: つばさぐも 様

    おはようございます つばさぐも様

    へぇーおじさんがライダーでしたか!

    ということはまだオートバイがめずらしかった時代のものでしょうか
    いやそうではなくて
    子供のあなたから見てという意味です。
    明治大正の話をしているのではありません念のために。

    No title

    はい(^-^)
    父の実家に帰省すると
    エンジン音鳴らして帰ってきて。
    わぁぁと思ったものです。

    Re: Nつばさぐも 様

    なるほど ありがとうございます。

    良き時代の素敵な思い出
    いいですねぇ
    想像力が掻き立てられます。

    ちい公

    ようこそ! 
    空ゆく雲のようにいつも自由でありたい。もとノラのちい公がお届けするごく私的な日常と愛する国そして人々への思い