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    愛しき日々・オートバイと・・・スズキフロンテ その1

    日々のドキュメント 旅  アジア 
    06 /05 2019


     
     今日はバイクに関わるまで前段が長くなります。


     悪童の高校生活も終わり、貧乏人のお坊ちゃまは大学生になっていた。
     当然のようにバイトに明け暮れる日々だった。

     親に無理してもらいすでに普通免許は取得していたのでバイトに困ることはなかった。大学生ながら金に不自由はなくなった。

     そして軽四輪を買った。バイクには興味はなかった。同じ乗るなら自動車だと思っていた。

     買ったのはスズキフロンテ360。
     最初手に入れたのは中古だったが間もなくしてニューモデルが出たということで新車に飛びついてしまった。


    最初は茶色 中古だった
    02フロンテ

    images_20190604124602dc7.jpg


     ブルーメタリックのピカピカの新車。
     運転席に座ると何とも言えない新しい香りがした。
     大切に乗った。
     はじめて宝物を手にした気分。

     そして一か月が過ぎた頃だろうか、学校から戻ると車の姿がなかった。
     妹が言った。
    「まさおが乗っていったよ」
     まさおというのは弟。工業高校へ通っていた。当然ながら無免許だ。

     仕方ないな。
     たいして腹も立たず。機械好きの彼の気持ちもわかっていた。

     しかしなんということだろう。こんなことがあってよいのか。天をも呪いたくなる事件が起きた。

     電話でまさおが叫んでいた。
    「事故やってしまった」
     数キロ離れた国道にいるという。

     タクシーを呼び現場に駆けつけた。
     そして見た。
     ピカピカだった愛車フロンテが亀のようにひっくり返っている。屋根はつぶれてみるも無残な姿に。
     
     前を走っていたバイクの友人が転びそうになり避けようとして急ハンドルを切ったという。
     一緒に乗っていた友人たちに誰もケガはなかった。せめてもの救いだった。

     誰かが通報したのだろうパトカーがやってきた。
    「運転していたのは」
     問われてあたしは躊躇なく名乗り出た。無免許の弟をかばうつもりだった。

     しかしウソはいけない。
     運悪く近くに自動車学校があって誰かが事故を見ていたらしい。
     警官は呆れたように言った。
    「なんちゅうこっちゃ、ウソを言うなんて。二人ともパトカーに乗れ」

     はじめてパトカーに乗った。
     そのまま警察署へ連れてゆかれた。

     二人は離れた場所へ座らされた。
     取調室ではなく警官たちが事務をとるフロアだった。

     はるか向こうで机に突っ伏した弟が声をあげて泣いている。
     それを見ながら担当の警官が穏やかに言った、
    「身内をかばいたい気持ちはわかるけれど、これはやったらいかんことだよ。大学生ならわかるだろ」
     うなずくしかなかった。
     あとは通りいっぺんの話ですんだ。
    「ほんとだったら今晩一晩留置所に泊まってもらうとこだけど、あんなとこ普通の人間が入ったら頭がおかしくなるよ」
     だから誰か引受人を呼べといった。

     このときの状況を後になって弟と話した。
     彼は照れ臭かったのか、
    「泣いたら怒られずにすむやろ、ウソ泣きや。ちらっと兄ちゃんの方を見たら笑いながら警官と話していたな」
     そんなことを言った。あまり反省している風ではなかった。

     結局身元引受人は町内の市会議員に頼んだ。
     議員のおっさんは運転しながら、
    「おかげで署長に盆栽を一個せがまれた」
     そう言って笑った。


     ピカピカだったフロンテはもう使い物にならなかった。
     車を回収してくれた販売店が言うには、かろうじて使えるのはエンジンだけということだった。

    つづく


                    
     
     
     
     
     

     



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    コメント

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    No title

    にんげんだもの・・・v-390

    こんにちは

    淡々と書かれてるから
    余計、愛車への想いを感じます。

    Re: つばさぐも 様

    ありがとうございます。
    いつもしっかりお読みいただき感謝しております。

    Re: ピオの父ちゃん 様

    まったく失敗ばかりの時代でした。
    それが青春というものなのでしょうか。

    ちい公

    ようこそ! 
    空ゆく雲のようにいつも自由でありたい。もとノラのちい公がお届けするごく私的な日常と愛する国そして人々への思い