もういいじゃないのかな吉本騒動。
世間の非難はいつの間にか会社そのものに向かい、問題の本質がすりかわった。
エンタメの世界、売れないタレントが飯を食えない。これはなにもエンタメ業界に限らず、夢を追いかけるにはそれだけの試練も当然覚悟するべきであって、なにも吉本興業の体質、体制まで世間が非難するのはお門違いだろう。
メシを食えないから会社を通さない営業があればのっかってしまう、そのような芸人がなくなることはない。
まあどっちもどっちの話だ。
吉本の騒ぎを眺めていておもしろいのはこれまでウラ営業をホイホイやってきた連中が完全に沈黙を守っていることだ。あるいは会社を擁護する発言をしている者もいたりして、思わず笑ってしまう。
企業倫理の問題も盛んにいわれるが、お前が言うなと思うような人物がまるで正義の味方のようにもっともらしい言葉を吐く。
会社の体質改善というのは容易いがそう簡単なことではなく、どれだけのつよい思いで時間をかけて取り組んでゆくことができるか同じ上場企業といってもこと芸能の分野ではタレントと会社の関係ひとつからしても容易なことではない。
つまりマネージャーとして雇用されている社員と夢を追うタレントはある意味においてはまったく異なった世界に属しているのであり、各社員ひとりひとりがいかにタレントと所属会社の橋渡し役となれるかが問われる。しかし現況ではサラリーマンが多くなり、その不満がタレントたちにも蓄積されてきた部分も垣間見える。
お笑い事務所が大きくなりすぎて国の仕事まで関わるようになり、そのため政治家も口を出さざるを得ない状況までになっている。
まあしかし世論はいいかげんで、あっという間にバッシングの矛先を変えてしまう。
これが日本なのだとあらためて思う。
もういいだろ、吉本叩きは。
所属タレントはやめたければ辞めればよいので、だからといって一タレントの仕事を阻止することまで今さらできはしないだろう。
もちろんそうなれば力のないタレントは大樹の下で自分がいかに守られていたかを思い知ることになるのは自明の理であろう。
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