家族そろって帰省されたり、あるいはまた遠方に出ている家族が戻ってきたり、日ごろは静かなお家が華やぐそんなとき。
家族が少なく帰るべき田舎もないあたしにはお盆というのは遥かむかしの記憶にしか存在しない。
幼少期を過ごした山間の里はいまでもこの季節になると同じような賑わいが戻ってくると聞いた。
しかし、かといって今さら訪れようとは思わない。
なつかしさと同時に悲しい記憶もおなじだけ残っている。それらをひとつひとつ掘り返すだけの強い気持ちが自分にはない。
涙し打ちひしがれるだけなら行かない方がよい。
心の奥底にそっとベールをかぶせて肉体が滅びると同じくして静かに消えてゆく記憶、もうそれでよい。
わたしはこの荘園の領主
皆は伯爵と呼ぶ
今日は一日事務仕事で疲れました
もう休むから妃よ起こさないでおくれ

※ 大型台風にお気をつけて
皆様のご無事を
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