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    イサーンの風にふかれて~君と二人で~ サコンナコン県のクメール遺跡へ 

    日々のドキュメント 旅  アジア 
    12 /03 2019


     ベトナム移民のビレッジを離れ大通りに出た。
     10分も走っただろうか、スマホのナビゲーションが教えるまま車は左折して細い道に入った。
    「次はどこ?」
     すると妻は、
    「プラ・タート・ナライ・チェン・ウェンよ」
     と応えたはずだが、あたしにはプラ・タートしかわからない。こんな長いタイ語を一度で聞き分けるほど達者ではない。

    「ここよ着いたわ」
     またお寺のようだ。
     でも彼女が来る前に発した言葉、
    「一度見てかおかないとね」
     そういうからには普通のタイのお寺ではないのだろうと思った。

     門を入って広場に車を停めた。
     参拝者が引きも切らない有名寺でもなさそうで他に車は見えない。人の姿もない。


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     車から出て振り返ったときあたしは一瞬固まった。
     小道を挟んだ向こうに仏塔が見えた。
     プラ・タートというからナコンパノムでたくさん見てきた美しい装飾がほどこされた仏塔があるのだろうと考えていたのは間違いだった。
     
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     宇宙のどこかからやってきてそのままこの場所にとどまっている異星人の着陸船。
     今もなお同胞の迎えを静かに待っているような黒いフォルムは過ぎ去った年月の長さを感じさせた。

    「クメールじゃないか」
     口をついて出た。
     間違いないクメールの遺跡だ。
     アンコールワットに代表されるこの様式はタイに多く残されている。
     しかし北イサーンのそれもメコン川から遠く離れた地にこのような遺跡があるとは。
     後にわかったことだがこの仏塔はタイに現存するクメール遺跡のなかでも最北の地になるという。

     10世紀~11世紀と言うから1000年は経過しているか。
     サコンナコンの人々にとっては聖なる地のひとつだと書かれている。

     しばらく動かなかった。思考がうまく機能しなかったというべきか。

     この地から西へ170キロほど走った場所にあるウドンターニ県の中心ウドンターニで長く住んだ。歴史的にはメコンの向こうラオスから再三攻め込まれ一時は占領された地でもある。そのためかイサーン・ノンカーイやウドンターニの人々が使う言語はラオス語に似ていて、彼らはラオスに入っても普通に会話ができる。
     しかしそこでクメールの話は記憶がない。

     そうかクメールはサコンナコン辺りまでは来ていたのか。

     クメールといえばすぐ思い出されるのはカンボジアの暗黒時代ともいえるポルポトの時代、クメールルージュが力を誇示したあたりだろうか。

     しかしいま、サコンナコンのこの静かな一角、村と呼んでもよい場所に残されている遺跡はそれよりもはるか昔、古代と言ってよい時代。

     黒く苔むしたような石畳の上をうろうろと歩き回った。
     自分の六感に伝わってくるなにかを感じ取ろうと神経を研ぎ澄ました。そして仏塔に手のひらを押しあててみた。なにかが来る、半ばそう念じながら目を閉じた。

     遠くで名も知らぬ鳥が大きく長く鳴いた。



     
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    コメント

    非公開コメント

    こんにちは

    ちい公さまには何が聞こえ何が見えたのでしょう。

    Re: つばさぐも 様

    こんにちは ありがとうございます つばさぐも様

    何が聞こえたのでしょうか
    書くと長くなります 話すのも難しいですが
    でも感じたのです。
    波動か鼓動というべきでしょうか
    これはこのような古代遺跡で初めてのことではありません
    信じるも妄想だとお笑いになるのもご自由ですが・・・

    No title

    こんばんは!

    古代遺跡から発する波動と上手くクロスする事が出来ると
    神秘的な体験をする事が出来ると私は信じています。
    同じような事を何回かした事が有りますが…
    人間的に成熟していないのか邪念が入るのか、
    ちい公さんのような体験は出来ていません。

    すばらしい体験ですね、ちょっと羨ましいです。

    Re: mina (アトリエのつぶやき) 様

    ありがとうございます。
    私のやっている意味を理解下さる方がいた
    とてもうれしく地の果ての異国で同胞に会えたような気分です。

    私は元ノラ公なのでいろいろなパーツが
    きっとシンプルにできているのです。
    でも確かになにかを感じることができると
    自信を持って言えます。
    それはスーパーパワーでもなんでもなくて
    ときには地鳴りのようにつよく、またあるときはささやきのようなパルスが
    感じられるのです。

    ちい公

    ようこそ! 
    空ゆく雲のようにいつも自由でありたい。もとノラのちい公がお届けするごく私的な日常と愛する国そして人々への思い