ここのところにわかに騒々しくなってきた。
今までタイは暑いからそれほどの大ごとにはならないだろうと考えられていた節もあり、ここにきてふってわいたようにニュースも大きく取り上げるようになった。
リスクカントリー、これはタイで呼ばれている肺炎ウィルスに汚染された危険な国を刺す言葉。
いまこれらのいわゆるリスクカントリーから戻った人々に対しては14日の自宅待機が言い渡されるケースが増加している。
妻の会社でも騒ぎになっていて、彼女自身にもなんどか会社関連部署や附属病院からの問い合わせがあった。
彼女が日本人を夫に持ち度々日本へ出かけているのは社内では有名な話なのだ。
ラッキーなことにタイへ戻ってすでに14日が経過し、その間に発熱などの疑われる症状がなかったことで無罪放免になった。
この騒ぎが大きくなってきた原因のひとつには、北海道観光から戻ったある老夫婦の問題がある。
夫のほうが旅行から戻って発熱し何日か後に病院へ行った。しかしその原因になったかもしれない北海道旅行の話を隠していた。彼らにしてみればコロナウィルスだと言われて村八分の状況になるのは避けたかったのだ。
だが現実は厳しく。夫には肺炎ウィルスが発見され、隠していた北海道旅行の事実も露見した。
これがファミリーだけの問題でなくなってしまったのは老夫婦と同居している息子ファミリーがいて二人の孫が小学生だったことだ。
現在のところ家族に疑わしい症状は出ていないが、子供たちは登校禁止になり二人が通っていた学校は休校になってしまった。
このような広がりは何処も同じで、妻の会社でも日本ではないリスクカントリーの旅行から戻った社員に14日間の自宅待機が申し渡された。
その間、給料の保障はされるのかと聞いてみたが、
「有休が残っていればそれを使って、あとは規定にある病気休暇ね。それほど会社も甘くはないわ」
そんな答えだった。
タイ社会が特別そうだとは言えないが、ここにきてとくに目立つのは、疑わしき人物をつまはじきにするような風潮。いわゆる村八分的な扱いが目立つことだ。
したがって今大騒ぎになっている日本へ旅行などしようものなら帰ってきてとんでもないことになる。そんな恐れがまん延していて、旅行のキャンセルは当然で、今は出かけるべきではないというのが常識にもなっている。
リスクカントリーから戻っても内緒にして万一のことがあるまで普通の日常生活をおくり、それがさらなる拡大を招くという悪循環がおきそうでこわい。
タイ政府としてはリスクカントリーへの旅行禁止とあからさまにはアナウンスしないが、報道機関などを通じて一定方向に誘導しようとしているような感じもある。
やろうと思えば何でもできるのが政府。どこかの国とはすこしちがう。
ましてタイは観光の国。
ここで日本と同じようなことが起こればたちまちにして多くの生活破綻者が出るだろう。
こんなことを書いている間にも3月がやってくる。
どうしても日本へ行かねばならない用がある。
妻は何とか延期できないかと心配している。夫が母国へ行くのにまるで戦地へ赴くような騒ぎだ。
タイでもマスクが品薄になっている。
妻が荷物の中に入れようとかき集めてきたマスク。

島国日本は独立国のはずだった。それがいつの間にか大陸の属国のようになり下がり、大陸が風邪を引けば島国が大きなくしゃみをする羽目になった。
情けない話だ。
これでいいのか日本は。
がんばってほしいな日本。
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