
♬♪~~
猫にも杓子にも届いたマスクが
我らの貧民窟にはまだこない
嘆いてみてもはじまらない
こうなりゃ藁人形で呪いをかける
釘を打ちつけ 呪文を唱える
♬~~♬~~

わけのわからない鼻歌を唄いながら雨の上がった町を歩く。
昨日から気温が下がった。
半袖では寒い。
Barberタカ君をのぞく。
客はいない。
コロナ騒動からいままで彼の店に客が座っていたのは一度だけだ。
まじめに大丈夫かと心配したがタカ君に言わせると給付金を申請できるほど売り上げが落ちてないらしい。
まあ、さもありなん。彼の店はとれる客からはぼったくる。いや言葉が悪い、裕福な客には高度な技術で奉仕するので料金も高額になる。
ちい公みたいな客ばかりなら行政がすぐに給付金をもって走ってくる。
マスク来ましたか?
ここには今日届きましたよ。
お店の裏にはお母さんが住んでいるのでマスクも届いたということだ。
「へぇあたしのところにはまだこない」
「多分、今日来ますよ」
同じ町内だからくるかもしれない。
多くの方がそうであるようにあたしもとくにマスクがほしいわけではない。ただみんなにきて我が倒れ荘にこないということが納得できないのだ。
いま使っているスマホが古くなったのでもう少しサクサク動くスマホがないかと相談した。
かといって新品を契約したいわけではない。
ネットはモバイルルーターのWIFIを使っているので現有の電話番号だけを使えればよくて中古品でも構わない。
契約しているAUの番号が入ったSIMをそのまま差し替えて使いたのだが。
どなたかAUの使える古いスマホをお持ちではないだろうか。格安で譲ってくれないかな。
ああでもこうでもないとしゃべり、それからスーパーへ行き、のり弁などを買い、肝心の必要なものをほとんど買い忘れて戻った。
ポストを覗いて驚いた。
さきほどタカ君の店で見たのと同じマスクが入っていた。
A4サイズの袋だと勝手に想像していたが半分の大きさの袋だった。よく考えればマスクのサイズからしてA4サイズの袋に入ってくるわけもないだろう。

まるで懸賞にでも当たった子供の気分だ。
残念賞みたいな賞品だが届いたことに意義がある。
♬♪~~
おめでとう おめでとう
貧民窟にも きたよマスクぅ~~
ありがとう ありがとう
日本人でよかったぁ~~
ありがとう ありがとう
一生使わず大切にィ~~
家宝がひとつ ふえましたぁ~~
♬~~♬~~
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