知らぬ間に長い人生になってしまった。
それだけに説明がつかぬこともいろいろ体験してきた。
この世では理屈で割り切れない現象が起きることもある。それを知っている人は少なくないだろう。
だから少々のことでは驚かない。
もっと驚いたり恐怖を感じたりするのは生身の人間が織りなす愛憎模様だろう。
日本国内の移動ができるようになった。
思いついて列車に乗った。
降りたのは港町。
潮の香りがどこかなつかしい。まるで思い出の町を歩いているようにも思える。
赤い靴を履いた女の子が待っていて、ついてくるようにと言った。
どうして迷い込んだのか、そのあたりの記憶がない。
ふと気がつくと潮騒は消えていた。
鼻腔をくすぐる甘く丸い香りは深い森の木々が吐き出す吐息に違いなかった。狭隘な山村で過ごした幼年期の記憶にはっきりと刻まれている香りでもあった。

海辺の町から森の中へ・・・。
どうしてだろう、何が起きたのか。
この続きはこちらでご覧いただければ・・・。
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