四月は君の嘘・光るなら

毎晩のVDO通信もなんだかせわしない。
というのもあたくしがいよいよ帰ると決めたのでうちのせっかちネエやが待ってましたとばかりにあれこれ手配を考えはじめた。
「空港へのお迎えだけど」
なんとも気の早い話だが、養子みたいなもので何も言えない。今どきほんとの養子のほうがもっと強い。
「迎え? パポップでいいじゃないの」
パポップとはいつもなにかあれば世話になっているドライバーだ。
「パポップもいいんだけど」
どうも乗り気ではないらしい。
話を聞くと、彼の運転がすこし荒っぽくなって車酔いしそうになる時があるという。
「彼はあなたの帰りを待ってるから喜んで行くだろうけど、やたら車線を変えて走る時があるの。べつに急いでって言ってないのに」
「そうか、それくらいなら直接ボクから話しておこうか、奥シャンが乗ってるときはやさしく運転してくれって」
「でもあなたが言うと、きつくなるからかわいそうでしょ」
なんじゃそりゃ、どうすりゃいいのさ思案橋。
「それでね話があるんだけど」
もって回った言い方、
「POM(妹)がね、あなたを迎えに行ってもいいよって。長く会ってないしミルキーも喜ぶからって」
それはうれしいけれど、タイ・スワンナプウム空港からバンコクの近場どこかのホテルでPCR結果を一晩待って、そこからアユタヤまで送ってもらうのもなんだか悪いような。
そんな話をしていて、ミルキーに会うのもずいぶん久しぶりで大きくなったことはわかっているが、
「ミルキーが来てくれるならなんかお土産がいるかな、メルちゃん人形なんかどうだろ前に買っただろ」
そう言ったあたしに、妻が呆れたような声を出した、
「何年前の話なのよ、あれから何年も経ったわ、もう人形では遊ばないわよ」
そうか、そんなものか、あれほど人形で楽しそうに遊んでいたのに、
「今はゲームばかりよ」
小学生の間で流行っているゲームがあるらしい。
「そうか。なら面倒だからお小遣いか、2~300バーツあげよか」
そんなことを言ってまた笑われた。
今どき100バーツ札では誰も喜ばないという。
「バンコクはなんでも高くて1000バーツでもすぐよ」
「えっ子供に1000バーツか、大人と変わらないじゃん」
浦島太郎の心境だ。
「しかしあたしなら100バーツでも奥シャンがくれれば喜んで走り回るけどね」
「あなたは元ドッグだから仕方ないわね」
言われておしまい。
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Information From Forest city
分身であるクマのちい公がようやく現実世界へ戻れそう
フォレストシティからタイムスリップするみたいだけど
まさかこんな方法で?
これってリヤカーじゃないの?
ぶっ飛んだ作家はちい公が戻るまでに
なにか企画を考えてるそうだけど
☞ ドールより愛をこめて;「森のカフェ便り」 Vol47 帰国に向けて 後編

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