久しぶりに詐欺師に出遭った。
訪問販売というか訪問商法。
我が倒れ荘、自慢じゃないが古いのでオートロックなんてしゃれたものはなく監視カメラもないので郵便受けはゴミチラシ入れ放題、勧誘や訪問販売はご自由にいらっしゃいませというすばらしい住環境。
これまでに様々な商売がやってきた。
最近見なくなったのが新聞の勧誘。
NHKは昨年の秋前だったかまだコロナで大騒ぎの時期にやってきた。
こんな大変なときによく来れたものだ、動画を撮ってやるから一から話せ、といってカメラをかまえたら、すみませんと駆けおりていった。
NHKには積年の遺恨がある。
ダマされて年間ほとんど不在のときにずっと払っていたことがある。NHKとしては不在だろうと何だろうと契約してしまえば関係ないと話にならなかった。
そんなことがあって、後に住所も変わったが、NHKには二度と加入しないと決めた。
あと勧誘になるかどうか宗教、いわゆる布教活動か、この場合には追い返したりしない。宗教が違うからと丁寧に断ることにしている。バカていねいに話せば皆一様に引き下がってくれる。
そして久しぶりにやってきたわけのわからない訪問者。
電気会社の下請けですが、メーターボックスを開けさせてもらうのでお断りに。皆さん突然メーターボックスなんか開けられたらビックリされるもので・・・。
まだ若い、30前くらいの男。
作業着スタイルで手にはファイル、胸から下げているのは身分証ならぬ名刺のようなもの。
「メーター、なにするの」
‘メーターのチェックです、家の中に入ることはありません’
そりゃそうだろうメーターは表にある。
「電気会社の下請け? 会社の名前は」
すると相手はわけのわからないアルファベット三文字を口にした。
すでに私の警戒アラートは真っ赤に点灯していて、さあどう料理するかの段階に。
「メーターのチェックって、どういうことかな? うちの電気はどこの電気かわかっていて来てるの? それにメーターはいまどき人が見に来たりしないんだ、リモートだよ、わかってる?」
私は関西電力との契約を別会社に変えている。しかし配電は関西電力の仕事だから、どんな返事をするかと思ったのだ。
相手は口ごもり、
‘ちょっと開けてチェックするだけですから’
「このアパート全戸チエックするのか」
少し口調を強めてみた。
‘はいそうです’
「ふつうな、このアパート全部がなにかしなくてはいけないときは家主がチラシを回すんだ、そんなことがあれば家主に言わないとな」
‘いや、この場合は個人契約なんで’
なかなか達者だが、はい尻尾が見えた、個人契約だと言いましたね。
「なにを契約するんだ、なんか器械でもつけるのか」
‘それではここはやめておきましょうか’
ひとりごとのように言うと踵を返してエレベーターも使わず階段を駆け下りていった。
次は胸から下げた身分証を写真に撮ろうと考えていたが間に合わなかった、逃げられた。
皆様もどうかお気をつけください。
電力会社あるいはガス会社がなにか変更するときは必ず事前にチラシなどで案内があります。下請けなどと名乗ってくるのは間違いなく物売りです。少し前までは新電力への勧誘でしたがこの不況でそれはなくなった模様です。
今回の場合、もし私がダマしやすいとみられたなら彼らはメーターボックス開閉の許可を得たということでメーターを点検するふりをして何か器材が必要だとか言ったはずです。そしてついては費用がいくらです、みたいなことになるでしょう。
おそらく何かつければ節電になるとかそんなことでしょう。
しかしあとでよくよく考えて感心したのは、訪問してドアを開けてくれたときのセリフ。
‘皆さんメーターボックスを開けられたら驚きますから’
だから事前にこうして親切にお断りしているんですよと言わんばかりの笑顔。
とっかかりとしては、なかなかうまいセリフだ。
むかしは消火器売りが訪問販売の定番だった。
「一家に一台、これは法律で決められている」
そしてその前のとっかかりとしては、消防署の下請けなどとは言わず、
「消防署のほうから来ました」
これが決め台詞。
消防署から来たのではない、そちらの方面から来たのだと言ってるので、あなたがどう理解したかはこちらの知ったことではないという話。
皆様、これからますます詐欺は増えてゆきます。
くれぐれもお気をつけて。
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