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    ちい公ドキュメントな日々

    アジアの風をいっぱいに受け 雲のように日々を・・・・

    ウォーキングデッド@倒れ荘

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     出先で遅くなった。
     日が暮れるとさすがに気温が下がった。
     ワッセワッセと自分を鼓舞するように口の中でつぶやきながら早足で戻った。
     これからの季節、誰もいない部屋に戻ったときに感じる孤独。
     部屋の明かりをつけ着替えをしましょう。

     そのときドアがノックされた。
     時間は午後8時すぎ。
     やさしいノックだった。時間を考えチャイムを鳴らさなかったようだ。

     ノックと書いて思い出した。
     うちへやってくる人のなかで妹はつもノックだった。なぜかチャイムを鳴らなさなかった。
     妹は突然やってくることはなく、何か用があるときはだいたい在室確認をしてからやってきた。
    ‘おーーい、生きとるか’
     さっきメールで会話したばかりなのに、いつも同じセリフだった。

     おかしなものでチャイムはともかくノックの仕方で相手がわかる。
     セールスでも、順番にドアをノックしてまわり開けてくれたら儲けもの的な音、これはしつこくなく強めのコンコンで終わり。
     宗教やNHKの勧誘は格別にやさしいノックで、どちら様と尋ねても聞こえるか聞こえないかの声で返事する。これもドアを開けさせるテクニックといえるだろう。
     こんなときの私は大阪弁のそれもドスの効いた声音でまず一発かましてからドアを開けることにしている。これでたいていの相手は対応が変わってくると私は信じている。ノックした相手に、ヤバい部屋をノックしてしまったと思わせるのが肝要。

     話を戻そう。
     さきほどの遠慮がちなやさしいノック。
     時間も時間なのでセールスではなかろう。もしこんなときにセールスならこれはこれでおもしろい。
     こちらの問いかけに返事はきたが声が小さい。
     ええい、めんどくさいな。




     開けたドアの向こうに男が立っていた。
     ウォーキングデッドから出てきたのか。
     まるで今にも倒れそうな雰囲気だった。いくら倒れ荘でもシャレにならんじゃないか。
    「おっ!」
     私は声を出した。
    「帰ってきたか」
     廊下に立っていた男は隣人だった。
    「やっぱり病院だったか」
     様子ですぐにわかった。
    ‘チョーシ悪くなって救急車で運んでもらったんや’
     そうかそれは知らなかった。
     聞けば肺に管を入れるような処置が必要だったとか。いつも咳をしていたから気になっていた。
    ‘電話くれてたね、ありがと’
     わかっていたようだ。

     ともあれなんとか生きていたようだ。
     しばらく療養のため部屋にいるという。
     とにかくなにかあったらなんでも言ってくれ、そういっておいたが、かなり弱っている様子だった。

     ふるさとは遠く近隣に身内がいない男で、私と似たようなものだ。
     他人事ではない。

     しかし倒れ荘がウォーキングデッドの舞台になるとは。

     
     
     
     











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    テーマ:ドキュメントな日々 - ジャンル:ライフ

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