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    日曜読物 イサーンの風にふかれて

    日々のドキュメント 旅  アジア 
    12 /18 2016

     55 星降る大地にて

     (本日は毎週掲載日曜読物より第5話を縮小版で転載です


     昨夜はげしい雨がきた。雷は連続的に鳴り響き、風も出てきた。雨が横なぐりになった。しかし停電までにはいたらず一時間ほどであがった。雨季の前兆なのか、不思議なものだソンクラーンが終わるとすぐにスコールがつづく。

     おかげで今朝は気温も下がり水シャワーでは寒いくらいだった。
     風もすこしあってサバイな朝だった。

     夜、ウドンターニ郊外の田舎にきた。
     いつもの犬が二匹。毛づやも悪くいつもどこか痒そうだ。おそらくどちらも病気だ。
     いつも思うことだがタイの人間は動物を可愛がることはよいのだが対する知識にかけるところがある。みているといつも自分たちの食い残しを与えている。元来、犬や猫には人間と同じ調味料のはいったものはよくない。
     日本でペットを飼っている方でこれを知らない人はまずいない。すべてのタイ人がそうだとはいわないが、多くの犬が病気を持っているような気がしてならない。

     田舎に来るのは好きだが二匹の犬を見るたび私の心は痛む。今度来るときは忘れずペットフードの大袋を買ってこよう。それでどうなるものでもないが忘れずに買ってこよう。

     この地の人間は心やさしい。それは人間に対してだけでなく動物たちにもそうあるはずだしそうあるべきだ。だが現実はこうだ。知識のなさかそれとも他の考え方があるのか、私にはいまひとつ理解できない。
     犬たちが可愛そうで、思えばおもうほど見ているのがつらい。

     通りに出て空を見上げた。大地にキラキラとダイヤモンドのような星がふっていた。
     思えば遠くへ来たもんだ・・・。
     そんな歌の一節が口をついて出た。

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     にぎやかな話し声で目が覚めた。時計を見る。朝の五時半だ。蚊帳の上、天井に目がゆく。むきだしのトタン板の屋根が見える。木造トタン屋根、私はタイの田舎で眠っていた。写真に出てくるような高床式の家で眠ったのだ。

     犬は吠える、もちろん鶏は暗いうちから鳴いている。そして朝っぱらから庭ではなにやら会議がはじまっている。

     ファミリーの一人ツゥーンはこの地区のボスでもあるから人の出入りが多い。それとなく耳を傾けていると、どうやらソンクラーンのさいに行ったボクシングの試合をめぐって支払いのことでもめているらしい。彼は関係なかったようだが相談をもちかけられると知らぬ顔もできないようだ。試合だけでなくそれに賭けがからんでいるから話はややこしい。ややこしいので私は聞くのをやめてシャワーを浴びた。

     お気に入りのブンばあさんのテラスへ所帯道具一式をさげて移動した。椰子の木と潅木と竹林もある。その間を朝の涼やかな風が静かに通りぬけてくる。

     ばあさんがコーヒーを飲むかと聞いてくれた。私は自分で入れると答え台所に向かった。ここはややこしい。広い敷地に四棟の家があってそれぞれ独立していて生活道具もそろっているのだが、なにかあると高床式・タイ・スタイルのいってみれば母屋に皆が集まる。食事も自然と母屋の庭で皆が食うことになる。だから湯を沸かしているといわれてもどこのキッチンなのか一瞬考えなければならない。

     コーヒーをさげてテラスに戻る。
     向かいの農家では鶏がゆっくり歩き回っている。なかに白い鳥がいた。顔のあたりだけが赤い。アヒルの仲間かとも考えてみる。嘴は水鳥のようでもある。よくわからないので写真に撮った。

     昨夜の酒がまだすこし残っている。
     田舎も二日目になると夜は退屈なので郵便局のシットを呼んだ。ウイスキーがないので買ってこいといったが嫁だけを連れてきた。仕方がないので近所の店屋で安ウイスキーと氷を買ってきてもらった。

     いくらタイランドポストといえどもシットの給料は月8000バーツほど。これで車の月賦を支払い、嫁には3000バーツほどしか渡せないらしい。生まれてくる子供にも金がかかる。そのために彼は毎夜アルバイトに精を出している。本来デザインの仕事がやりたい彼は、いずれその方向に進みたいと希望を持っているようだ。ともあれ一本の酒がなくなるほど喋りそして呑んだ。

     ブンばあさんが私の好物であるタイのお粥カウトムをつくってくれた。白粥ではなく豚のミンチや青野菜などが入って、これにナンプラーをすこしおとせば最高だ。
     この環境の中で食うタイのお粥は、私にとって世界の朝飯の中でもトップスリーに入れてもよいと思うほど贅沢なものであった。



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    ちい公

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    空ゆく雲のようにいつも自由でありたい。もとノラのちい公がお届けするごく私的な日常と愛する国そして人々への思い