

ยินดีต้อนรับสู่ Blog ของฉัน [ไดอารี่เกี่ยวกับเมืองไทย โดย Mr.Chiikou]
ようこそいらっしゃいませ、ありがとうございます
少しのあいだサヨナラバンコク
いつものようにあたしは呪文を唱えていた。
着陸より離陸のとき不安におそわれる。
こんなどでかい塊りが宙に浮かび上がるにはかなりの推力が必要となる。
航空力学はわからないが万が一ということがある。安全離陸速度、時速300キロを超えたあたりでエンジンが停止すればどうなるか。
滑走路に停止していた飛行機のエンジン回転が高くなった。そして、ゴトゴトと揺れながらそれでも急速にスピードが上がった。機内あちこちからの軋み音が不安を増大させる。
とくにドンムアン空港の滑走路は揺れが激しい。関空と比べれば国道と酷道ほどの違いがある。
いまにも天井のどこかが外れて落ちてくるのではないかと視線が宙をさまよう。
よし呪文を続けよう。
あたしの呪文、難解な古代タイ語を魔女が教えてくれたので意味はわからずそのまま「モゴモゴ、モゴモゴ」
地上からの振動が消えた。
機体が浮き上がった。
どうやらパイロットは無事に離陸できたと判断したにちがいない。すぐに車輪を格納する音が聞こえてきた。
よし、今日も呪文が効いた。
これでやっとゆっくりできる。
スマホを出しTomGoldRunを開く。
♪トンテントンテンピューン♪
大の男がやることではない。
水平飛行になるとすぐに乗務員がやってくる。
飲み物のオーダー。
ふつうのビジネスならここでウエルカムドリンクなのだが、SCOOTでは食事メニューの確認とサービスドリンクのチョイス。
食事は予約の際にメニューから選んでいる。ドリンクもワンドリンクだけがサービスであとは有料、現金で支払うことになる。
あたしはいつものようにシンガポールのビール・TIGER。その他、現金の必要なものはオーダーしない。
今日のビジネス、こちらの列は男性乗務員がサービス担当だった。
40歳そこそこの男性だったが、彼の接客ぶりがなんとも好感が持てた。たとえば少し年配のご婦人がトイレに立てば手を引いて案内し終われば席まで連れて戻ってくる。
あたしもトイレに立った。
まさか手を引いてはくれなかったがトイレの前にゆきドアを開けてくれた。
そして食事のとき、あらかじめオーダーしていたシンガポールの食事セット。
「これはシンガポールの伝統的なチキン&ライスです。このソースは少し辛いですが、タイに住んでいらっしゃるなら大丈夫でしょう、美味しいですよ」
などと説明してくれ、
「TigerBeerのチョイスはナイスです」
片目をつぶってみせた。
ときおり通りかかったとき目が合うとジョークを言う。
おかげで気分良く過ごせた機内だった。もっとも、いつもここで不愉快な気分を味わったことはなかったが。
降りるとき、送りに立っていた彼はあたしを見るなり手を差し出した。
握手しながら、彼が言う、
「帰りもまた乗ってくださいネ」
「もちろん」
LCC航空と侮るなかれ。
彼らはそれなりの懸命な努力をしている。
安かろう悪かろうではけっしてない。