アジアの風をいっぱいに受け 雲のように日々を・・・・
病 院 病院といえば、つい数年前、かかりつけ医を設定し降圧剤をもらうようになった。日本滞在中は月に一度通っている。
それまでは高校時代に盲腸の手術をしたのと大学生のときに野球中に審判をしていたときチップのボールが目にあたって眼医者に通った。たった二度しか自身は病院と名のつくものに世話になったことがない。
もちろん介護していた母親を数えきれないくらい病院に運んだ経験はあり、また妹に関しても手術など節目節目では付き添ってきたのでそれなりに病院のシステムは理解しているつもりだった。
まさか今度は自分が手術をされる羽目になろうとは思わず、若干の焦りは禁じえなかった。
かかりつけドクターから紹介してもらった総合病院は妹が緩和ケアから旅立った場所だった。
「もしいやだったら病院変えてもいいですよ」
かかりつけドクターはいってくれたが、私のケースはまるきり関係ないのでありがたく紹介状をもらうことにした。
ドクターはよくできた方で、少し待つ間に相手先へ連絡し私の診察日や担当医を決めてくれた。
ほんの数か月前、火曜日の午後も休診になっているのをなぜかと聞いた私に、
「もうやる気がないんですよ」
そんな若者みたいな言葉を吐いていた同一人物とは思えなかった。
ドクターもまだまだやればできるじゃないか、そう思ったが口には出さなかった。
午前9時30分に予約を取ってくれていたので9時に受付へ出向いた。
ここでは初診だから最初から手続きが必要だった。
問診表など書いているうちにプラスチックの診察券ができた。
なんだかここでも浦島の気分。このカードの暗証番号は、と考えて、そんなカードではないと思い直した。
たしか妹のときにも何度かついてきたことがあったけれど彼女はなんでも自分でてきぱき片づける人だったから私の出る場面はなかった。一度だけ妹の病状の宣告時には一緒に医師の前に座らされたが、そのときも妹はしっかりしたもので必要な事柄を質問したりしていた。私は結果を予期していたのでうろたえはしなかったが涙を必死でこらえていたような気がする。
紹介されたドクターもよさそうな、できる医師にみえた。
私の何倍も速くパソコン入力をするのが気に入った。まるで漫画ステッカーのパソコンを打つワンコにみえた。
手術の内容とか、日時、入院日数などを、こちらの意向も聞きながら入力していった。

そのあとは手術のための様々な検査。
窓口行脚、いくつ回ったか混乱しそうだった。
採決、小さなカプセルが何本も並んでいるのをみて私は顔をそむけて天井をみた。何本も血が抜かれてゆくのを直視できなかった。
「最近ダイエットでいいもの食ってないから血も薄いかも」
それだけいうのが精いっぱいだった。
レントゲン室で、胸から腹、次は立ったままで腹部の撮影をするという。
「ズボン下ろしてください」
私は下腹部も当然撮影するのだろうと、加減がわからず膝まで下着もろとも下ろしてしまった。
技師のおじさんが,
「パンツは大丈夫です」
声があわてていた。
そうだなチンチンの病気じゃないんだからそこまでレントゲンは要らないか。
これには続きがあって、夜の定時連絡で妻に話した。
モニターの向こうで妻がひっくり返りそうになって笑った。
「Xレイのガラスにくっつけてどうするの」
下ネタだがうければよいのだ。
手術は10月の初旬に行われることになった。
それまでチビチビ呑んで静養しましょう。
にほんブログ村テーマ:ドキュメントな日々 - ジャンル:ライフ
前のページ 次のページ
プロフィール
Author:ちい公
ようこそ!
空ゆく雲のようにいつも自由でありたい。もとノラのちい公がお届けするごく私的な日常と愛する国そして人々への思い
最新記事
RANKING
カテゴリ Category
最新コメント
リンクはフリーです こちらも貼りますので教えてね
このブログをリンクに追加する
検索フォーム
月別アーカイブ